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ブラック企業の自覚なし… 27歳男性が「心臓が止まる」と思った出来事

学び

 ここ数年、「ブラック企業」の話題は尽きることがありません。上司のパワハラ、セクハラ、交通費や経費が落ちない、残業代が出ない……劣悪な労働環境が続々と内部告発されています。

ブラック企業

※イメージです(以下同じ)

 今回、ブラック企業だとネットで囁かれる某有名電機メーカーに勤めるタナカさん(仮名・27歳)に、「実際のところどうなの?」と話を聞いてみました。

 開口一番は「うちは上下関係が厳しいけど、ブラックじゃないと思う」というタナカさん。しかし、「おかしな慣習はありますけど……」と言葉を濁します。おかしな慣習とは……?

体育会系のノリが炸裂する運動会

「僕の勤める会社は、忘年会はもちろん、春は花見、夏はビアガーデンでの飲み会など、社内の恒例行事がしっかり残っていてバリエーションも豊富。体育会系のノリが強くて、イベントごとは“若手は参加必須”という雰囲気はありますね」

 自身も学生時代、ラクロス部だったタナカさん。「成果はほとんど給与や出世に影響されず年功序列制が残っている」という会社の風土にも「そのうち自分の番が回ってくるから違和感はない」そうです。

「もちろん、『会社にプライベートを拘束されたくない』と言って参加を渋る同期の声も耳に挟んだことはありました。まあでも、僕は結構アットホームないい職場だと思います。イマドキ古いのかもしれないけど、運動部出身者が多いので自然と引き継がれているんでしょうね。

 会社全体に流れる『体育会系ノリ』が顕著に現れるのが、社内行事のひとつである運動会です。部門ごとにチーム対抗で、玉入れや棒引きをして、毎年かなり盛り上がるんですよ」

バケツで水をかけられる「恒例行事」

バケツ 水

 若手社員が体を張った余興を挟み、「朝まで続く打ち上げが終わるまでが運動会」と聞くと、「パワハラの温床なのでは……?」と思わず心配してしまいますが、タナカさんはまったく意に介さない様子。

 しかし、そんなタナカさんですら思わず「そこまでやる!?」 と戸惑ったという“おかしな慣習”も運動会で起こったのだとか。

「入社1年目の運動会で、僕の所属チームは残念ながら最下位でした。社内イベントは、お偉いさんの掛け声で一本締めするのが恒例で、運動会の終わりも一本締めをします。

 ……と思った瞬間、チームの上司に後ろから思いっきりバケツで水をかけられたんです! 心臓が止まるかと思いました。なんでも最下位チームで1年目の新人は、水浸しになるのが『恒例』だそうです」

 場は大いに湧いたそうですが、「運動会は秋に開催されるので、凍えるほど寒かったです」。これはもう立派なパワハラ…と内心で思った社員もいたでしょう。ブラック企業と呼ばれるのもその気質が所以なのでは?

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