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出版社がIT企業に買収され、ブラック企業化。苦しんだ若手社員の末路

学び

先輩は全身に発疹が出て過労でダウン

 そんなブラック労働を続けたある日、同じ部署で3歳年上の先輩が過労で会社を休んでしまったのだとか。

「その先輩は新規事業の立ち上げを任されていた人で、平日は始発で出社し、終電で帰宅する毎日。土日も関係なく働いていたので過労で倒れるのも当然でした」

 次の日に出社してきた先輩に休んだ理由を聞くと、「前日にお風呂を浴びていたらいきなり全身に赤い発疹が出たんだ! かゆくてたまらないのと、強烈なめまいで救急搬送されたわ……」とのこと。

 幸いにも病院で点滴を打つと発疹はひいて回復できたそうですが、先輩は「これ以上ここの部署で働いていたら、命を落とす気がするよ」と言い残して別部署に移ることになりました。

ストレスで幻視「誰もいないのに人影が…」

人影 男

 残された山本さんはさらなる過酷労働に追い込まれます。残業は増えて徹夜は当たり前。雑誌の締め切り前には、3日間一睡もできなかったこともあったといいます。

 山本さんは上司に「体力的にもう限界だ」と伝えていましたが、赤字部署なので新しい部員が増えることはありませんでした。「上司は『好きな仕事だし、まだ頑張れるはず』と言うだけ。根性で頑張っていましたね」と語る山本さんでしたが、終わりのない過酷労働の日々で、体力、精神共に限界が来てしまいました。

「締め切り前でいつものように徹夜が続いていたときでした。その日も深夜ひとりで会社に残っていると、だれもいないはずなのに視界の端にチラッと人影が見えるんです。寝不足で朦朧としていたので、幻視が見えていたんでしょう。さらに耳元で女性がささやくような幻聴が聞こえ始めました」

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