整形地獄にハマった元アイドルの主張「泣きながら“張ったエラ”を殴り続けた…」
自分の顔が少しずつ変わっていく嬉しさ
多幸感をもう1度感じたいがあまり、また整形をしようと思いました。今度は涙袋にヒアルロン酸を注入し、輪郭にボトックスという筋肉を衰えさせる注射を打つことに。結構な痛さでしたが、大嫌いな自分の顔が少しずつ変わっていくことに嬉しさが抑えられませんでした。
少し自信もついたことで、もう1度夢を叶えるために芸能事務所に入り、グラビアアイドルの仕事を始めました。
しかし活動の幅を広げたことで、以前よりも容姿を叩かれることが増加。コンプレックスである輪郭を指摘されるたび、「そんなことは分かってる」と最初は腹立たしさを感じていました。
が、徐々に洗脳されるがごとく、自分の輪郭が心底嫌いになっていったのです。鏡を見るたびに辛くなり、泣きながら「張ったエラ」を殴り続ける日もありました。
このままではおかしくなると感じた私は整形の情報を方々で集め、韓国で施術を受けることを決意し、「頬骨削り」「エラ削り」「口筋切除」を予約。金額は日本円にして約60万円。貯金はゼロになりましたが、その時の私にとっては大した問題ではありません。
これで「誰にも文句言われなくなるくらい可愛くなれる」とワクワクが止まらず、術中に亡くなるほどのリスクもありましたが、「この顔のまま生きていくなら死んだほうがいいや」とまで思っていました。
「もう死んでいい」とさえ思っていたが…
手術当日、先生になりたい輪郭の写真をいくつか見せ、最終確認をしました。すでに支払いは済み、あとは手術をするだけ。「よろしくお願いします」と言うと、「これでもっと可愛くなれますからね」と優しく微笑まれ、じんわり涙が溢れてきました。
手術台に横たわり、いざ手術を目前にすると、あまりの寒さに全身が震え、言葉にできないほどの恐怖が。さっきまで「もう死んでいい」とさえ思っていたにもかかわらず、今までにないほど心臓の鼓動が速まりましたが、足の甲に麻酔を刺されると次第に意識は無くなっていきました。
目が覚めると手術は終わり、回復室で横になっていました。看護師の方にお粥を食べさせてもらうと、じんわりと「生きててよかった」と思ったものです。
しばらくは息もしづらく、チューブの入ったままの耳の裏からは血が止まりませんでしたが、腫れが引いたあとのほっそりした輪郭を思えば、そんなことは苦でもありませんでした。