アマゾン売れ筋No.1は本当に買いか?ワイヤレスイヤホンを徹底比較
比較その1:Q30よりもすっきり洗練されたサウンド
SoundPEATS Q34
価格3280円
Q34は、Q30の約半年後に発売されたモデル。ぱっと見、Q30とほとんど同じだが、コントローラー部分がよりコンパクトになり、ハウジングとケーブルの接合部分の強度がアップしている。
ケーブルの長さはQ30より10cmほど長くなっているけれど、Q30に比べると質感がややクセっぽい(安っぽい)のは個体差だろうか。電源持続時間は約7時間、防塵&防水はIP44と、スペック的にはQ30よりも少しだけ落ちる。しかしそれ以外のapt-Xコーデックやノイズキャンセリング機能への対応はほぼ同等だ。 Q30の「低音重視」に対して、Q34は「クリアな中高音」を志向している。ハウジングから伸びるノズル部分がQ30より細いのもそのためだ。
「つながりやすさ」と「低音の質感」の2点について。
前者はウォーキング時にQ30と同じ場所・時間・音源で試したのだが、音の途切れがやや気になる。後者についてはQ30よりもかなりタイトでキビキビと小気味よい印象だ。「クリアな中高音」の触れ込みの通り、アコースティック楽器中心のヴォーカルものなどを聴くのに向いている。
Q30とは逆に、屋内で使った方が活きるイヤホンに思えた(PCとつなげて聴いた時には音の途切れもまったく気にならなかった)。空気感や楽器の余韻の再現に優れていて、「Bluetoothの圧縮音源だから」というエクスキューズを必要としない繊細さを感じることができる。
比較その2:AAC対応なので、iPhoneユーザーならコレ!
SoundPEATS Q35 PRO
価格4290円
と、ここまで書いてきたところで、SoundPEATSからQ34に続く新製品が出ていたことに気づいた。Amazonで検索すると製品名が分かりやすく表示されないので見逃してしまいがちだが、「Q35 PRO」というモデルである。発売から1か月が経過しているのにカスタマーレビューが5件しかアップされていないところを見ると、このクラスのイヤホンの購買層にまだ十分に“発見”されていないのではないだろうか。
外観はQ30やQ34と大差ないが、両者とスペック的に大きく違うのはiPhoneに採用されている高品位コーデック「AAC」に対応していることだ(もちろんapt-Xには引き続き対応)。
iPhoneは基本的にapt-Xコーデックに非対応のため、Q30やQ34をiPhoneと組み合わせて使う場合は標準規格であるSBCで接続するしかないのだが、AAC対応のQ35 PROならSBCよりも高音質&低遅延なサウンドを期待することができる。iPhoneユーザーがこの3つから1つを選ぶなら、Q35 PROで決まりだろう。
現時点で音はまだ深く聴き込めていないけれど、3モデルの中では一番ニュートラルで帯域バランスが整っていて、分解能が高いように思える。「低音の質感」もきめ細かい。インドア/アウトドアを問わず、心地いいリスニング体験をもたらしてくれるに違いない。