GoogleとAppleがゲームに本格参入。業界の地図を変えるのか
「Macでゲーム」も当たり前の時代に?
Mac派のゲーマーにとって救世主となったのは、有志によって開発されている無料ソフト「Wine」である。この特殊なアプリケーションを介することで、すべてではないが、Windows向けのゲームソフトがMacで動作するようになった。
また、2010年にMacに対応した「Steam」も存在感が大きい。これは、MacやWindowsなどのコンピュータ上で、複数のゲームを購入して遊べるプラットフォームである。意外なところでは、このSteamのおかげで『RPGツクール』シリーズが初めてMacに対応した。
このように、現在はMac派にも「ゲームの選択肢」が少なからず存在している。Macにかぎって言えば、Apple Arcadeの最大の競争相手はSteamではないかと思う。決まったタイトルを遊びたいだけなら、Steamの買い切りシステムのほうが安上がりなのは間違いない。
AppleとGoogleが「ゲーム業界の地図」を変えるか
「サブスク」という言葉は2019年の流行語大賞にもノミネートされた。今秋スタートしたStadiaやApple Arcadeが範としたのも、著しい成功を収めた「Netflix」や「Spotify」などのサブスクリプション(定額)サービスだろう。
現在のところは、ビジネスモデルの構築が「ゲーム体験」のデザインに先行している感が否めない。しかし実験的なシステムが面白いStadiaも、大手メーカーを誘い入れたApple Arcadeも、それぞれに可能性を感じさせてくれる。AppleとGoogleがスマホゲーム分野で積み重ねてきた実績は、その期待を後押ししてくれる。
果たして両プラットフォームで、ゲーム業界の地図を塗り替えるようなヒット作が生まれることはあるのだろうか。その行方を見守りたい。
<TEXT/ジャンヤー宇都>