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GoogleとAppleがゲームに本格参入。業界の地図を変えるのか

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iPadでもMacでも遊べる「Apple Arcade」

Shantae and the Seven Sirens

アクションゲームの『Shantae and the Seven Sirens』が配信中。海外発のゲームシリーズだが、日本の古いアクションゲームやアニメキャラを参考に開発された経緯がある

 月額600円のサブスクリプション形式でたくさんのゲームを遊べるのが「Apple Arcade」だ。「アーケード」ゲームというと我々は、コンティニューのたびに100円を取られるあの筐体を思い出すが、システムとしては正反対だといえる。

 Stadiaとは異なり、Apple Arcadeが動作するのはApple製の端末だけだ。iPhone、iPad、Mac、Apple TVの4シリーズがこれにあたる。ハードがすべてApple製ということもあってすり合わせが容易なため、ソフトとハードの相性問題というのはまず発生しない。

 ゲームはすべて端末にダウンロードして遊ぶので、Stadiaのような「クラウドゲーミング」をするわけではない。「100以上の新作タイトル」が存在することを謳っており、バラエティでもStadiaを上回っている。また公式サイトでは、追加の課金が発生しない、広告も表示されないなど、既存の「スマホゲーム」にありがちな難点を払拭したことを強調。これは子を持つ親を意識したものだろうか。

 ただし、既存のスマホゲームで遊ぶのとどれほど違うのかというと、微妙なところだ。App Storeには600円未満で買えるアクションゲームがいくらでもある。「100を超えるタイトル」とは言うものの、App Storeの品揃えに比べるとやはり見劣りする。

「ゲーミングMac」というMac派の夢

『VARIOUS DAYLIFE』

スクウェアエニックスがApple Arcadeで配信するRPG『VARIOUS DAYLIFE』。多国籍配信が前提となっているため、どこの国の言葉でもない謎のボイスを採用

 Windowsが市場を席巻した90年代以来、長くにわたってMacは「ゲームに弱いOS」だと考えられてきた。特に日本のゲームメーカーからのオリジナル作品のリリースは僅少で、移植されるのもごく一部のヒットタイトルだけだったため、たとえば2000年代の美少女ゲームブームも、Mac派は指をくわえて見送るほかなかった。

 そんなMacユーザーに「潮目が変わった」と思わせる出来事は過去にもあった。2005年にAppleは、Macの搭載CPUをIntel製のものに切り替えると発表。これを機に、Mac向けのゲームが多数登場するのではないかという希望的観測が生じた。しかしその後の5年間も、PCゲーム業界におけるMacは傍流に甘んじている。

 2011年にAppleは「Mac App Store」のサービスを開始。当時すでにiOS向けのApp Storeではゲームアプリが多数展開されていたため、「Macがゲーミングプラットフォームとして発展するのでは」という期待を抱かせた。しかしやはり、Macのゲームがメインストリームになることはなかった。

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