稼ぐ人に共通する「話し方」のコツ。デメリットをどう伝えるか
「人を動かすこと」が上手な人、下手な人。それは「話し方」の差と言っていいでしょう……。
起業コンサルタントとして、様々なビジネスのプロデュースに携わり、300人もの「稼ぐ経営者」を育て上げた金川顕教氏。新刊『稼ぐ話術「すぐできる」コツ』(三笠書房)では、稼ぐ人に「共通する話し方」を「すぐできて、すぐ効果が出る」ように紹介している。
その中から、今回は「稼ぐ人が必ず話していること」について紹介する(以下、金川氏寄稿)。
稼ぐ人は、「相手のメリット」を相手に伝える
次の2人の上司。あなたなら、どちらの人の下で働きたいですか。
A上司「この会議用の資料、急いで30部をコピーしておいて!」
B上司「この会議用の資料、急いで30部をコピーしておいて! このフォーム、他の仕事でも使えるから、覚えておくといいよ!」
ほとんどの人が「B上司の下で働きたい」と言うのではないでしょうか。ただ、A上司とB上司の差とは、「このフォーム、他の仕事でも使えるから、覚えておくといいぞ!」というひと言を言っているかどうかの差です。つまり、「人を動かすこと」が上手な人、下手な人の差というのは、たったひと言の差とも言えるのです。ただ、そのひと言が大きいのです。なぜなら、そのひと言は、部下にとって「メリットとなるひと言」だからです。
この場合であれば、「このフォーム、他の仕事でも使えるから、覚えておくといいぞ!」というひと言。このひと言があるからこそ、部下も「動きたくなる」のです。A上司もB上司も「この会議用の資料、急いで30部をコピーしておいて!」といった、部下にとってあまり興味のない仕事、部下の仕事とは直接関係のない仕事、つまりデメリットをお願いしている点では同じです。
ネガティブ感情をポジティブ感情に
部下にしてみれば、仕事のモチベーションが下がる瞬間です。ただ、B上司は、その後すぐ、「メリットとなるひと言」を加えています。
「このフォーム、他の仕事でも使えるから、覚えておくといいぞ!」というひと言。
こう言われれば、部下も「そうか、まんざら雑用でもなさそうだ。他の仕事でも使えるのなら、ラッキーかも?」と納得し、「動きたくなる」でしょう。また、敏感な部下であれば、「このフォーム、他の仕事でも使えるから、覚えておくといいぞ!」というひと言に、B上司の気遣いを感じて、モチベーションが上がるという人もいるでしょう。いずれにせよ、「人を動かすこと」が上手な人は、次のような共通項があります。
・「相手のメリット」をひと言で言える。
・「自分の気遣い」をひと言で言える。
つまり、相手にとって「デメリット」であることを「メリット」として話すことができると言ってもいいかもしれません。ネガティブ感情をポジティブ感情に置き換えることに長けているのです。