母が連帯保証人に…500万円の借金を肩代わりした29歳の覚悟
稼ぎたいけど、働き方改革で残業がない
「ただし、貯金がまったくないため、これでは結婚式を挙げることも新婚旅行や新居引っ越しにかかる費用も用意できません。今は働き方改革の影響で会社も夜遅くまで残って仕事なんてことはなく、残業手当も期待できません。入社して数年は残業代だけで年間20~30万円あったので、それが無くなったのは正直辛いです」
労働時間の削減は働き方改革のメリットのひとつですが、これには残業などの超過勤務手当がもらえなくなるというデメリットもあります。実際、それで生活苦に陥っている人もおり、自己破産の理由に9.61%の人が「給料の減少」と答えています。
「一番下っ端ですが役付きになり、基本給もアップしていますが、それでも微増程度。できれば副業をしたいですが、ウチは今も社則で禁止されているので……」
心配なのは彼自身が生活苦で首が回らなくなること。「保証人以外の債務の肩代わり(第三者の債務の肩代わり)」を自己破産原因に挙げている人が4.68%もいることは決して軽視できません。
そもそも今回のケースでいえば、鹿島さんは親の借金を肩代わりする法的義務はないのです。払うにしても債務整理をすれば借金はもっと減額できたはずです。実際、彼のように親の借金問題で悩んでいる方は少なくないでしょう。親に代わって返済するという姿勢は立派ですが、もっといろいろなことを確認したうえで判断したほうがいいかもしれません。
― 特集・借金苦に陥る若者たち ―
<TEXT/トシタカマサ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>