母が連帯保証人に…500万円の借金を肩代わりした29歳の覚悟
自分は無駄な出費を控え、堅実な生活をしている人でも借金に無縁というわけではありません。なかには親の代わりに借金を返すハメになったという人もいるようです。
母親が連帯保証人で800万円の借金を
運送会社で働く鹿島兼一さん(仮名・29歳)は、今から2年前、母親が連帯保証人で500万円の借金を背負っていることを知ります。自身の年収(450万円)を超える負債に将来設計が大きく狂ってしまったといいます。
鹿島さんの母親が保証人になったのは一度だけ。よく知る親友に頼まれて引き受けたそうですが、結果として裏切られてしまったとか。
「当初、母の負債額は800万円ほどあったそうですが、貯金から300万円を返済。しかし、残り500万円を返す算段がつかず、私が母親から相談されて知ったのはこのときでした。
父親は私が社会人になってすぐに病気で亡くなってしまいましたし、しかも一人っ子で兄弟はいません。こんな多額の借金を抱えるとは悪夢としか言いようがないですが、たった1人の家族である母親を見捨てるわけにもいきませんから」
連帯保証人で自己破産する人は多い
ちなみに日弁連の「2017年破産事件及び個人再生事件記録調査」によると、自己破産に至った理由で「保証債務(連帯保証人)」は14.54%。これは浪費・遊興費の9.29%、ギャンブルの4.93%なんかよりもずっと多いのです。
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■自己破産に至った理由(複数回答あり)
生活苦・低所得 61.47%
病気・医療費 22.70%
事業資金 17.37%
失業・転職 16.32%
負債の返済(保証以外)15.11%
保証債務 14.54%
生活用品の購入 12.28%
住宅購入 10.26%
給料の減少 9.61%
浪費・遊興費 9.29%
教育資金 7.75%
クレジットカードによる購入 6.46%
ギャンブル 4.93%
第三者の債務の肩代わり 4.68%
名義貸し 1.37%
冠婚葬祭 1.37%
投資(株式、会員権、不動産等)0.81%
その他 12.04%
※日本弁護士連合会消費者問題対策委員会『2017年破産事件及び個人再生事件記録調査』より
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母親は普段から質素な暮らしぶりで、鹿島さんもこんな事態になるとは想像できなかったとか。
「最初、母は自己破産すると言っていましたが、それは私にとって正直都合が悪かったんです。実は、結婚を約束している3歳年下の彼女がいるのですが、彼女の父親は公務員。体裁を気にする方ではないですが、職業的にも私の母親が自己破産となれば別問題です。だから、借金を肩代わりするのは自分のためでもありました」