“世界で最も成功した”プロデューサーが語る「成功への道はハードワーク」
ウィル・スミス演じる暗殺者ヘンリーが、自らのクローンである20代の暗殺者ジュニアとの戦いを余儀なくされるSFアクション『ジェミニマン』が公開中だ。
新たな技術を駆使した映像で可能となった“中年ウィル・スミス”vsフルCGで生み出された“20代のウィル・スミス”のガチンコアクションが話題を集めている。
今回、本作を携えて来日したハリウッドを代表するプロデューサー、ジェリー・ブラッカイマー氏に単独取材。
経済誌『Forbes』(2010年12月)が選ぶ「エンターテインメント業界で最も稼いだ人物」では、スティーヴン・スピルバーグやビヨンセを抑え、ランクイン。『トップガン』『アルマゲドン』『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、ドラマ『CSI:科学捜査班』『コールドケース』ほかを手掛けるなど「ハリウッドで最も成功した人物」の一人でもある。
そんな彼に、20代へのアドバイスや成功者の共通点を聞いた。さらに配信サービスも盛んな今、「映画を映画館で観るべき理由」を直撃。常に時代の先端を行く映画を送り出してきたブラッカイマー氏から返ってきたのは、意外でありつつ、納得できる答えだった。
自分が得意なこと、できること
――本作の主人公ヘンリーは、自分の経験からジュニアを導こうとします。ブラッカイマーさんが、20代の読者を導くなら何をアドバイスしますか?
ジェリー・ブラッカイマー(以下、ブラッカイマー):まずは好きなことを見つけて、夢を追い続けること。同時に大事なのが、自分が得意なこと、できることを知ることだ。好きなことであっても、それが自分にできることだとは限らない。
たとえば私は役者の仕事も好きだ。でも得意ではない。自分が好きなものを見つけ、そのなかから得意なところを見出して、ずっとやってきて、今の自分がある。誰しもが何かの才能を持っている。それを努力して育んでいくことが大事だ。
――ブラッカイマーさんご自身は、20代の頃、どんな野望を持って、どう行動していましたか?
ブラッカイマー:私は、子どものころから映画が大好きで、映画館に何度も足を運んで、作品の世界に没頭していた。だから昔から映画業界にとても興味があった。だけど、最初はコマーシャルの世界からスタートした。そこで短い尺の中でモノをPRしたり何かを伝えることを学んで、そこから映画製作の場へと移っていった。
――20代の経験が、今の仕事に繋がったのでしょうか。
ブラッカイマー:それだけではない。色んな組み合わせによって今の自分がある。20代の経験、自分の育ち、両親や周りの人々の導き、そういったものによって、今の自分が培われていった。