エアコンつけっぱなしは損か得か?メーカーに聞いた節約術
エアコンつけっぱなしのほうが節約になる?
一方で、エアコンの「つけっぱなし vs オンオフ」では、どちらが節約になるのだろうかという点もよく議論される話題だ。筆者の身の回りにもつけっぱなし派とオンオフ派がいるが、果たしてどちらが正しいのだろうか。
「以前、弊社で、つけっぱなしかこまめに電源を入れるかで、どちらが節約になるかの実験を行いました。夏場の日中(9:00~18:00)の場合、30分ぐらいの外出だったらエアコンはつけっぱなしのほうが消費電力は少なく、30分以上外出する場合は一回切ってしまったほうが良いという結果が出ました。
夜(18:00~23:00)の場合は、18分くらいのちょっとした外出ならつけっぱなしでも問題ないですが、それ以上の外出なら切ってしまったほうが消費電力は少ないという結果になりました。ただし、そこまで大きな差はありません」(重政氏)
つまり、こまめに切るのが節約になるとは限らないわけだ。どうしてこのような実験結果になったのか、重政氏はこう話す。
「エアコンって、運転を始めてから部屋の温度をぐっと下げなきゃいけないってときに一番電力を使うんです。なので、一回部屋が冷えたあとはそれを維持していればいいので、さほど電力を使いません。けれど、電源を切って、また上がった室温を下げるとなると、また頑張って部屋を冷やさなきゃいけなくなるわけです」
自転車に例えて言えば、漕ぎ出すときが一番大変(消費電力が多い)で、スピードが乗ってきてからはあまり力は必要じゃなくなる(すなわち消費電力は少ない)ということになるようだ。
夏場のエアコン使用は「湿度に気をつけて」
最後に、夏場のエアコン使用時に心がけてほしい注意点を伺った。
「湿度を下げる手もあるよ、というのは覚えておいてほしいです。なぜかというと体感温度と温度計の温度って全く違っていて、たとえば湿度が50%なのか、80%なのかで人間の感じる暑さは全く異なってきます。
湿度が低ければ、そこまで温度を下げなくても快適で、結果として節電にも繋がったりします。また、体の冷え過ぎを防ぐということにもつながります。なので、湿度を50~60%に保ちつつ、適切な温度設定を行うことが身体的にも経済的にもポイントですね」
エアコンの効率良い運転方法は、節電のみにとどまらず健康にも関わってくる。心身ともに快適な夏を送るために、できる部分からとりかかってみることが重要と言えそうだ。
<TEXT/片野修作>