就活セクハラ被害者が語る、恐ろしい面接官「ラブホに行こうよ」
「今から僕とラブホに行こうよ」
内藤:まあ、確かにお互いのことを知るためにも、面接後にラフにご飯に行くというパターンはあるのかもしれないですけどね……。
笹川:そうですね……ただ、居酒屋で席に着くなり、また“殻を破れていない”という話が始まりました。私は「またか」と思ってその話を聞いていたのですが、5分くらいして「例えば僕とラブホに行くとするじゃん」と話を始めてきたんです。私は言葉を失って固まってしまいました。
そこからは「過去に僕は一緒にラブホに行った子の殻を破ってあげた」だの、性的な言葉を使いながら気持ちの悪い話をされ、ついには「今から僕とラブホに行こうよ」しか言わなくなってきたんですよ。
内藤:それはひどいですね。
笹川:話を聞きながら、私は「とにかく逃げなきゃ」ということだけを考えていました。ただ、「はい、ラブホに行きます」と私が言わない限り、話が進まないような状況になってしまっていて。私は「もうダメだ」と思って、一度お手洗いに逃げ込みました。ただ、その時も、後ろから「そのまま帰っちゃダメだよ! 逃げたらダメだよ!」と大きな声で言ってくるんですよ。
「とても怖かった」2人きりで地獄のような状態
内藤:それは恐ろしいですね。
笹川:とても怖かったですよ。お手洗いで一度落ち着いて考えて、やはり嫌だからハッキリと面接官に意思表示しようと思い、席に戻り、面接官に向かって意を決して、一言「嫌です」と伝えました。
内藤:しっかりと意思を伝えることができたんですね。面接官の方はどのような反応でしたか?
笹川:それが、びっくりしたのですが「飲み足りないんだね」と言ってきたんです。そこからは、勝手にお酒を頼まれて、「それじゃあ殻を破れない」という話をひたすら続けてきました。「ずっとラブホに行こう」「殻を破ろう」と話す面接官に、私が「嫌です」と言い続けるという地獄のような状態でしたね。
面接官には30~40回くらい「嫌だ」と言い続けました。そしたら、あまりに「はい」と言わない私にイラついたのか、面接官の方がキレたんですよ。「あ、そう。君のこと採用しようと思っていたけど、そんなに殻を破れないんじゃ、うちではやっていけない」と。
内藤:キレたいのはこっちですよね。
笹川:本当にそうです。今思い出すと、とんでもない話だと思いますが、その時の私の脳裏によぎったのは「ここまで面接を進んできたのに、全てがなしになってしまうかもしれない」ということでした。当時の私は社会経験もなかったので、もう何が正解なのか分からない状態になっていたんですね。感覚がおかしくなってしまっていたというか。