職場の席がトイレのすぐ近く…若手社員を襲う悪臭トラブル
エレベーターから漂う謎の獣臭
直近で、風間さんが違和感を感じたのはエレベーターでの異臭でした。先輩社員に聞いてみると、毎年梅雨の時期を目安に獣臭のような野性味溢れるニオイを感じていたとのこと。
「エレベーターに敷いてあるカーペットを誰も掃除していないと聞きました。僕は長年こびりついた汚れが湿気の影響で、もわっと立ち上っているのではと推理。
早速、営業車が停めてあるガレージで、水洗いして洗剤と柔軟剤をたっぷりまぶし、屋上で天日干ししました」
風間さんの努力が実り、無事、無臭空間を取り戻しますが、ほんの数日で、なぜか元の木阿弥となってしまいます。
「さすがにショックでした。早めに出社して、またイチからやり直すのかと思うと……」
ついに獣臭の正体が判明!?
ガクッと肩を落として、エレベーターから降りようとする風間さんとすれ違いで乗り込んできたのが、アラフィフの専務。その瞬間、それまでの疑問が氷解したのです。
「専務からエレベーターと同じニオイがしたんです。普段関わる機会が少ないので今まで知りませんでしたが、あとで聞いてみると、専務は強烈なワキガの持ち主だと。
いつもは鳴りを潜めているものの、夏場にスーツを着て出かけ、たっぷり蒸れて帰ってきたときが一番ニオイを解き放つみたいなんです……。つまりニオイの原因はエレベーター自体とは関係なく、単なる残り香だったんですね」
ニオイの元はまさかの人的要因。その後、風間さんは大きな荷物があるときだけ、やむを得ず息を止めて乗り、普段は運動不足の解消を兼ねて階段を使うようにしているそうです。
― 特集・夏のスメハラ恐怖体験 ―
<取材・文/蒲須坂正男 イラスト/デザイア恵利(@desire_eri)>
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