ヤクザの慰安旅行を手配…?サラリーマンを兼業する“反社”の闇営業も
特殊詐欺グループや現役の暴力団幹部に闇営業をしたとして、吉本興業の宮迫博之、田村亮ら複数の有名芸能人らがテレビから姿を消した。
今回の“反社スキャンダル”が沈静化し、当事者であるタレントが表舞台に復帰するまでには相当の時間を要しそうだ。
一方、そういった反社会的勢力と一般人との交際が根絶されたのかと言えば、まさか、そんなことはない。暴対法や暴排条例の間隙を縫うようにして、今も一般人に食い込む闇の勢力は少なくないのだ。裏社会事情に詳しい複数の関係者に取材した。
いまもヤクザに憧れる一般人が
「時代の流れに逆行しているかもしれませんが、自分が推したいヤクザを応援する堅気(一般人)は今もたくさんいます」と話すのは、元ヤクザ専門誌の記者だ。
「ヤクザ専門誌を読むような一般人には、みんな自分の“推し”があるんですよ。**組の組長とか。グループアイドルのファンはお気に入りのメンバーを一番プッシュするでしょ? あの感覚と一緒(笑)。まぁ、ファンとアイドルくらいの適度な距離感があればまだ良いのですが、無謀にもヤクザに近づき過ぎた一般人は、自分も気付かないうちに周辺者や準構成員のような存在になっちゃうことも」
このご時世、推しですらどうかと思うが、ヤクザの仲間入りしてしまっては笑い話で済まない。
「ヤクザや半グレを取り締まっているのは、警察の組織犯罪対策部という部署。通称マル暴と呼ばれていますが、彼らは山口組担当とか、住吉会担当とか、個々に担当する組織があるんです。別にそれはいいんですけど、長く同じ組織の担当になっていると、その組とズブズブになっちゃう刑事もいますからね」
自分の休眠口座をヤクザに転売する人も
法律やコンプライアンスの厳格化が一般市民と反社会勢力との交際をタブーにした。それでも、ふとしたきっかけで繋がってしまうことも。元ヤクザ専門誌の記者が続ける。
「たとえば特殊詐欺に悪用される銀行口座。あれって裏社会にほんの少しコネクションがあれば、一口座につき10万円ほどで転売できるんです。小遣いがほしいサラリーマンや生活困窮者が、生活費の足しにしようと、自分の休眠口座をヤクザや半グレに転売するケースもあるとか。
当たり前ですが、口座は犯罪に使用されるので相応のリスクはあります。それでも、右から左へ銀行口座を転売するだけなんで罪悪感もない。自分の口座を反社に提供する人たちは、おいしいバイトだと思っているのでしょう」
反社組織に口座転売することは、犯罪の幇助行為に該当する。表沙汰になれば、当然ながら警察に逮捕されるだろう。わずか10万で経歴に前科がつくことが割に合わないことくらい、子どもでもわかりそうだが……。