「ハワイ路線」でJALとANAが熾烈な競争。エアバスA380就航で変化が?
若者の「海外旅行離れ」はウソだった
「若者の○○離れ」という話題は、ニュースなどで定番の話題のひとつになっています。なかでも「若者の海外旅行離れ」ということも多く聞かれますが、大手旅行代理店のH.I.S.は「平成を旅行トレンドで振り返り」というレポートで「若年層こそが海外旅行に頻繁に行っている」と報じています。
H.I.S.の報告によると、2011年頃から、20~29歳の若年層の出国率は増加傾向にあります。とくに2015年からは上昇が続き、2018年には25.5%もの若年層が、海外旅行を楽しんでいるそうです。
イラク戦争やSARSなどの外的要因が高まった2003年には16.2%まで落ち込み、リーマンショック後の2009年までは20%に満たない年が続いており、その頃は確かに若者の海外旅行離れは起きていましたが、昨今では状況が一変しているのです。
H.I.S.は、その要因に「LCCの就航の開始に伴って価格の選択肢が広がったこと」「スマートフォンの普及によって情報収集が手軽にできるようになり海外への敷居が低くなったこと」を挙げており、「今後は情報の発信力のある若者の動向が出国数増加のカギになってくる」と結んでいます。
上の世代から「昨今の若者は内向き志向だ」と揶揄されることもありますが、それは実態とはかけ離れているのかもしれません。確かに、旅行プランをすぐにスマホで検索できるようになり、旅行はより身近なものになっていますよね。
涙ぐましい企業努力に「見直した」の声が多数
「当事者からすると大変なのかもしれない」
「競い合った結果、消費者にとっては良いサービスを提供してくれそう」
「知られざる企業努力があると興味深く見た。見直した」
ネット上では、ハワイのシェアを守るために奮闘するJALの社員の努力に胸を打たれたという声が少なくありませんでした。昨年、フライト直前に飲酒が発覚した副操縦士が逮捕されるなど、ずさんなチェック体制で世間を驚かせましが、この放送で、その悪印象も拭われたかもしれません。
さらに、情報収集能力の高い若年層も、より気軽に海外旅行を楽しむようになってきています。航空業界に、大きな変革が訪れようとしています。
<TEXT/湯浅肇>