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「プライドと婚活どっちを取るか…」メガバンク総合職→外資系のエリート女子の苦悩

学び

AI失業、人気低迷も…銀行員に危機感はナシ!?

 今年の“就活トレンド”として、「メガバンクの人気低迷」がもっぱら世間の耳目を集めている。

 昨秋、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行のメガバンク3行は、今後10年間で3万人超の人員削減を行うと報じられ、金融業界には「銀行のリストラ時代が来る」と激震が走った。

 就職活動サイト「キャリタス就活」を運営する株式会社ディスコが行った2019年卒学生が対象の「就職希望企業ランキング」でも、例年上位だったメガバンクは軒並みランクを落とした。

 背景にあるのはAI技術の本格導入だが、当の銀行員たちは“AI失業”の危機感をあまり感じていなかったという。

「今も銀行で働いている当時の同期と話しても、あまり切迫感はありません。社員をやめさせることはできないですからね」

 1年目が終わる冬に転職活動を開始し、最初に受けた外資系大手メーカーに一発内定した。年収は100万円以上アップ。社会人2年目の転職は、大成功を収めたように見えた。

転職成功も…新天地で思わぬ「落とし穴」

落とし穴 ビジネスマン

 しかし、かおりさんは新天地で思わぬ誤算に見舞われることに。

転職して1年も経たないうちに、私の所属する部署が売却されることになったのです。“外資系あるある”ではありますが、こんなすぐに決まるなんて。

 本当は別の事業部に異動したかったのですがそれも叶わず、売却先にも行きたくないから、たった1年でまた転職活動をしなければならないなんて誤算でした」

 かおりさんが疲れた様子を見せるのは、年頃の女性らしい悩みもあってのことのようだ

「27歳にもなると、大学や銀行の同期たちから同棲や結婚の報告が相次いでいて……。正直焦っています。自分も婚活しなきゃと思うのですが、より切迫した課題としては転職に向けて仕事で実績を積まなきゃいけないということです。

 でも、そうこうしていると婚期を逃して孤独な仕事人生を送るのかと思うと、それはそれで嫌だ。これから私はどうすべきなのか、時々分からなくなります。今、人生に迷走しています」

 キャリアへのプライドは捨てられないが、人としての幸せもそれなりに必要。同世代の中では“勝ち組”に見える彼女の心は揺れ動く。

<取材・文/四つん這い大塚>

ライター/編集者。若者の働き方を中心に、広く執筆を行う予定です

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