“節税保険”販売中止で、ギラギラした若手保険セールスマンが消える?
「もうやっていけない」関係者から悲痛な声
現状、人気商品を扱えなくなったことによって、法人向けに生命保険を販売して手数料を稼いでいる代理店や個人事業主の方たちは「経営が厳しくなった」と言います。
都内生命保険会社勤務のTさん(28歳・男性)は、こう嘆いていました。
「自分たちは保険商品の販売元として他にも様々な法人の保険を扱っているが、それでも株価は大きく下がり、仕事の量も減ってしまった。特に節税目的の保険をメインに扱ってきた代理店からはもうやっていけないという愚痴をよく聞く。
今後、国税局の示した案が実際に採用されるか否かで、生命保険業界の景気は大きく変わってくるが、少なくとも以前よりは確実に規制がかかってくる。悠長に発表を待ってないで逃げる準備だけはしとかなければと思う」
実際、Tさんは転職サイトに登録し、転職活動中だという。
今の生保業界では稼ぐのが難しい
また、別の保険セールスマンはこのようにも語っていました。
「5~6年前ならまだしも、金を求めて今の生命保険業界に入ってくる若者は先行きを考えていない人が多いと思う。しっかり調べさえすれば、今の生保業界では稼ぐのが難しいことなんてすぐわかるよ」
国税庁が発表した損金計上に関する規制はまだ確定してはいませんが、業界内では何かしらの規制がかかり、従来のような節税効果を発揮できなくなるという見方が強いようです。
節税という刃を失いつつある生命保険業界。販売対象は縮小し、競争が激化すれば会社も淘汰され、人材も飽和してしまうでしょう。今後の生保業界はお世辞にも明るいとは言えないかもしれませんね。
<TEXT/水村耕史>
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