AirPodsだけじゃない!初心者が買うべき「ワイヤレスイヤホン」5選+1
老舗ブランドBoseが仕掛ける「左右独立型」モデル
2017年以降、にわかに盛り上がりを見せているのが「左右独立型」と呼ばれるタイプだ。こちらはその名の通り、ケーブルがいっさい付属しない完全独立型で、イヤホン本体を耳栓のように左右それぞれの耳にねじ込んで使う。ほとんどの製品が、使用しないときには充電器を兼ねた専用ケースに収納するというスタイルを採用している。
アップルのAirPodsやサムソンのGalaxy Gear IconXといったスマホ純正モデルがよく知られているが、先のJBLやソニーほか、いまや国内外さまざまなオーディオメーカーが参入して市場を賑わせている。
アンカー・ジャパンの「Zolo」ブランドやドン・キホーテの「情熱価格」ブランドのような廉価モデルも数多く出ており、安いものは2000円台から高いものは5万円台まで、選べる価格帯もかなり広がっている。
ケーブルが衣服や肌に触れて発生するタッチノイズは従来のイヤホンでは避けて通れない問題だったが、それが完全に解消されるという点も左右独立型の大きなメリットだ。
ワイヤレスヘッドホン&イヤホンの分野で人気モデルを数多く世に送り出しているボーズが、初の左右独立型モデルとして昨年発売したのがBose「SoundSport Free wireless headphones」。
写真を見ると、いささか大きく感じるかもしれない。実際耳につけてみると耳介からやや飛び出るかっこうになるものの、イヤーチップの付根から生えているイルカの背ビレのような「フィン」が耳介にぴったりとハマって支えるため、耳から外れてしまう心配はほとんどない。
左右独立型の不安要素として「すぐに外れてなくしてしまいそう」という声をよく聞くが、よほど激しい動きをしない限り問題はないと思う(専用アプリには紛失時に位置情報を調べることができる「Find My Buds」機能もある)。
また従来の左右独立型では音の途切れや左右の伝送時間のズレが問題視されることが多く、傾向としては安価なものほどそれらが顕著になるが、このモデルくらいの価格帯になるとかなり安定したパフォーマンスが得られる。
音質については、伝統のボーズ・サウンドという感じでパワフルな低音がまず魅力だ。それでいて中高域の音も濁ることなくすっきりと聴かせてくれるチューニングは、さすがこの分野のトップランナーと思わせる。
スウェーデン発、左右独立型の先駆者モデル
左右独立型の先駆者と呼べるのがスウェーデンのイヤーインというブランド。クラウドファンディングによる資金調達を経て2016年に発売した第1号モデルの「EARIN M-1」は、カプセル型のケースで充電するスタイルを含め、今日の左右独立型ワイヤレスイヤホンの雛形を作り上げたと言っていいモデルだ。
再生可能時間が3時間とやや短いものの、SBCよりも高音質が期待できるapt-Xコーデックにも対応し、発売から2年が経過したいまも十分に魅力的なモデルである。
2月に発売された後継モデルの「EARIN M-2」は、初代機よりもさらにコンパクトになりデザインも洗練され、何より音質が大きく向上している。今後のさらなるラインナップ拡充に期待したい。
MMCX対応なら!毎日の通勤がより快適&有効に
もうひとつ、もしお使いのイヤホンがMMCXという接続端子を搭載したケーブルの着脱が可能なモデルなら、シュアの「RMCE-BT1」というリケーブル(ケーブルの単体製品)を買うというテもある。
現在組み合わせているワイヤードケーブルをこれにつけ替えるだけで、お手持ちのイヤホンのワイヤレス化が実現するわけだ。いずれにしても、ワイヤレスイヤホンのクォリティは数年前と比べて格段にアップしている。毎日の通勤をより快適&有効なものにするため、導入を検討されてはいかがだろう?
<TEXT/伊藤隆剛>