失敗するマンション購入、4つの悪手。近隣トラブル、離婚、破産…
マンションブロガーの、のらえもんです。
「20代社会人若手に向けた不動産の話って、基本的に難しいよねー」というネタ出し会議を担当編集者と行っていたら、「そうだ、のらえもんさん! マンション購入に失敗するパターンを教えてください!」とキラキラした目で言われました。
物件購入の失敗パターンですか、うーむ。
マンションの購入で失敗するパターンって?
“住めば都”ということわざがありますが、どんなマンションを購入しても、購入者のアンケートを取ってみれば、たいていの場合、満足度は高いです。なぜならマンションは年収の数倍もする高い買い物で、ある種、人生を賭けたベット(賭け)なわけですから、「自分の選択は間違っていない」とセルフマインドコントロールされるからです。
そして、マンションはあくまでも住まい。資産性は、売却しなければ現れないものですから、たとえ資産性が低い(買ったらどんどん値下がりしていく)物件であっても、購入した入居者が満足していれば、失敗ではないのです。
では、あからさまな失敗パターンとはどのようなものでしょうか? いくつか挙げますと、
1. 背伸びしすぎた住宅ローンを組んで家計が破綻、そして破産へ
2. 家族の意向を無視した購入をして、家族がバラバラに
3. 安易に住宅ペアローンを組み、その後、離婚したので売却しようにも物件価値を残債が上回って、売るに売れない
4. 近隣環境を調べずに買ってしまって、住んでみたら騒音や隣人トラブルでノイローゼ
などでしょうか。ひとつひとつ考えてみましょう。ちなみに「住宅ペアローン」とは、複数の債務者が物件に対してそれぞれローン契約を行って、お互いが連帯保証人になる借入方法です。
1)背伸びしすぎた住宅ローンを組んで家計が破綻
今、首都圏のマンションは新築中古とも値上がりしています。特に新築マンションの値上がりは激しく、普通のサラリーマンでは手が届かない額まで高騰しています。
では、「マンションは売れていないのか?」と言いますと、一時期よりは減ったとはいえ、着実に売れています。23区の7000万円前後するマンションのメインターゲットは、共働きの正社員夫婦。
住宅ペアローンを組むことにより、正社員である信用力と住宅ローンの低金利の合わせ技で、世帯年収の7~8倍でも購入することが可能です。実際に、某新築マンションのモデルルームで世帯年収が900万円の夫婦に、7000万円という物件を「みなさんはこれくらい買われていらっしゃいますね」と、隣の商談が聞こえてきました。
しかし、“住宅を購入できる”ことと、“買った住宅を維持する”ことは別問題です。マンションを購入すると住宅ローンの支払い以外にも管理費と修繕積立金は毎月払わなければいけませんし、固定資産税もかかってきます。家にかかる費用だけでなく、子どもの進学や学習塾の支払いにしんどい思いをすることになります。
そんなとき、世帯年収の7倍以上のペアローンを組んでいる家庭は、夫婦のどちらかが倒れてしまったり、奥様が突然妊娠してしまったりすると、たちまち家計が追いつかなくなり破綻につながります。住宅ローンの支払をストップして半年すると、競売の申立がやってくることになります。
新築のモデルルームは夢を見させる場所ですから、舞い上がって後先考えずに契約してしまう人は一定数いますが、これからの収入に大きなアップサイドが見えている人以外は、まさかのときのために貯蓄する余裕がある程度の資金計画が必要です。