男ならカンパニー松尾の破天荒な生き様に憧れを抱け! 大森靖子×岩淵弘樹<劇場版アイドルキャノンボール2017対談>
『ドキュメンタル』の混沌とした場は、今回の映画に似ている
大森:松尾さんもバク山さんも、逆に岩淵君が羨ましい部分もあるんじゃないかな。もう立場的に鉄砲玉はできないから。
岩淵:でも、それは『テレクラキャノンボール』を観て、松尾さんたちから教えてもらったことだから。「爪痕を残してやる!」、「面白ければ何でも撮ってやる!」っていう常識の枠組みにとらわれないライブ感。それがキャノンボールの魂だと思う。
もっと言えば、キャノンボールってライブ感しかないわけで、もう最後には、自分が何をやってるのかすらわからなくなってた(笑)。撮影後に『ドキュメンタル』のシーズン2を観たんだけど、観た?
大森:私も観ました! 最後に残った2人が、相手との間合いを取りながら、ギリギリのテンションで対決するシーンとか最っ高ですよね!
岩淵:あの『ドキュメンタル』のラスト10分の何が飛び出すかわからない混沌とした場は、すごく今回の映画に似ていると思ったよ。
岩淵「渡辺さんに喧嘩売ってやろうって」
大森:私もライブやっていて何回かに1回しか辿り着けない境地だよね。お客さん一人ひとりの表情まではっきり見えるくらい集中しているんだけど、一方で自分じゃない別の何かに突き動かされているような。物議を醸しているラストシーンも、そんな感じ?
岩淵:あれはねぇ(苦笑)。どこかで渡辺さん(プロデューサー・渡辺淳之介)に喧嘩売ってやろうってのがあった。「俺はキャノンボーラーになろうともがいて、なれなかった。あんたはどうなんだ?」って。完走した達成感とか、それでも”にせキャノン”でしかなかった悔しさとか、いろいろな感情が混ざり合っていたんだと思う。
大森:青春、こじらせてるね~。
女子アナとのロケで「キャノンボール」の後遺症が…
岩淵:でも、キャノンボールって恐ろしいもんでさ。撮影後に別の仕事で、女子アナのロケを撮ったんだけど、キャノンボールモードが抜けきってなくて、どんどんカメラが寄っちゃうのよ。
大森:あ! その子でポイント稼ごうとしちゃうんだ!(笑)。
岩淵:そうそう(笑)。むしろ、今までは遠巻きに撮るくらいだったのに、気が付いたらすごく近くまで寄ってて。それで彼女が偶然にも俺が撮った『サマーセール』を観たことがあるっていうから、テンション上がってLINEまで交換しちゃってさ。
大森:すごい! で、どこまで攻められたの?(笑)
岩淵:いや、それから誘ってみたけど、返信なかった(笑)。でも、俺ってそんなキャラじゃなかったのに、自分でも驚いた。やっぱりキャノンボールのライブ感とか距離感って、普通の尺度とは違うところにあるんだと思う。それは観た人たちにも少なからず伝わるものがあるんじゃないかな。
大森:男性も女性も、みんなキャノンボーラーになったつもりで楽しんでほしいよね。
<取材・文/宮下浩純 撮影/二宮ユーキ>