給与に惹かれ、悪徳業者と知らずに入社…転職初心者が気をつけること
出張とは布教活動のようなもの
それでも仕事には真面目に取り組んでいたが、ある日の出張中に見た光景に思わず恐怖したという。
「出張での広報の仕事は、会長の講演会にお供し、話した内容を会報誌にまとめる書き留め役。もともとライター志望ではありましたが、正直つまらなかったです。講演会の後には商品の販売会もあって、マルチであることも気づきました」
A社が販売していたのは、体のあらゆる不調に効くといわれるアクセサリーやベストなど即効性の高い磁気製品。
「僕も一度だけ使ってみましたが、ガチで身体が柔らかくなってびっくりしました。もちろん洗脳されていただけかもしれませんが、それでも不労所得で儲かるという甘い口説き文句でお年寄りに100万円以上の商品を売りつける事には疑問でした」
笑ってても目だけはマジだった営業マン
実際、老後の資金に不安を持つお年寄りはホイホイ騙された。ただ、甘い話は存在せず、大問題に発展したという。
「お客からしたら老後の不安も解消されるし、孫の年齢くらいの若者からお願いされたら『試してみてもいいかな!?』って思っちゃいますよね。
でも営業マンのクロージングはすごかった。彼らって表情では笑ってても目だけはマジ。怖かったですね」
地方出張でダマされるお年寄りを目の当たりにし、東京の本社では教祖様をまつる日々。会報誌執筆の仕事も、自由に書けるはずもなく、仕事も超絶につまらない。