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関西電力、3年間で500人削減へ。社員から漏れる不安の声とは

ビジネス

社員からは出世や給与体系への不満が漏れる

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関西電力の本店がある、大阪市北区中之島3丁目の関電ビルディング photo by J o CC BY 4.0

 今回の人員削減を契機とする新規事業への期待があるなか、実際の現場からは厳しい声も上がっている。年間2000万人が利用する企業のクチコミ・給与明細サイト「キャリコネ」には、将来性を疑問視する意見が寄せられている。

「業界全体のルールが大きく変化しようとしているなかで、変化への対応ができていない。『なんとかしなければ』という思いを持っている人はある程度いるが、いざ変革に踏み切るとなれば、二の足を踏んでしまい、結局はほとんど何もできていない。いい意味でも悪い意味でも、日本の大企業だと思う」(技術関連職/20代後半男性/正社員/600万円/2016年度)

 また、出世のスピードや給与体系に異論を唱える声もあります。

「年功序列で横並び。役職が付く時期からスピードに差が出てくるが、本人の能力や実績というよりも所属する場所の力によるところが大きく、いくら優秀でも部署によっては出世が遅れる。役職につくのが30代半ばくらいで、管理職につくのは最速でも40代はじめくらい。それぞれのタイミングで給与がぐっと上がる」(経理/20代後半男性/正社員/450万円/2017年度)

会社の将来性を期待する声も

 一方で、変革を目指す会社の将来性に希望を見出す意見も寄せられている。

「現在、古い社風を脱却しようとさまざまな試みが行われている。特に情報通信の分野では経営改革や社風改革がさかんに行われており、非常にやりがいのある環境で働けている。もっともYahoo!などの大手ベンチャーと比べればまだまだお堅い社風だが、ホワイトだからいいというものではないと考えている」(人事/20代前半男性/正社員/1000万円/2017年度)

 関西電力による2016~2018年度中期経営計画では、情報通信分野を「新たな成長の柱」に位置付け、2025年にはグループ全体の利益水準を3000億円以上にまで高めると打ち出されている。

 2016年の電力自由化を境にして競争が激しくなった電力市場だが、職場からのさまざまな意見も聞かれるなか、今後どのような舵取りをみせるか注目したい。

<TEXT/カネコシュウヘイ>

フリーの取材記者。編集者、デザイナー。アイドルやエンタメ、サブカルが得意分野。現場主義。私立恵比寿中学、BABYMETAL、さくら学院、ハロプロ(アンジュルム、Juice=Juice、カンガル)が核。拙著『BABYMETAL追っかけ日記』(鉄人社)。Twitterは@sorao17

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