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関西電力、3年間で500人削減へ。社員から漏れる不安の声とは

ビジネス

 1月15日、西日本方面で2府5県の配電などを手がける関西電力株式会社が、500人の人員削減を検討していることが報道された。

関西電力

関西電力公式サイトより

 今回の計画は、3月に関西電力がまとめる2019~2021年度を対象とする「中期経営計画」に盛り込まれる見込みだ。

 2018年6月末時点で送配電部門の人員は約9100人とされているが、2016~2018年度に同部門で計画されていた242人の削減と比較すると2倍以上の人数となる。

 人員削減の主な理由は、少子高齢化による人口の減少や省エネ志向の高まり、さらには太陽光発電の普及による自家消費分の増加により、従来大きな配分を占めていた送配電事業者への託送料金の負担増が懸念されるためという。

 また、2017年度に約1400億キロワット時だった電力需要は、2030年度には1200億キロワット時まで下がるという予測もあり、同社は設備などのデジタル化により業務効率化を目指すと示唆。2020年4月に新会社を立ち上げ、新規事業や海外事業を強化すると発表している。

平均年収の757万円は東京電力よりも若干高め

 関西電力は、大阪市北区に本社をかまえる電力会社のひとつだ。終戦をきっかけとした1951年の電気事業再編に伴い発足。電気事業、熱供給事業、電気通信事業、ガス供給事業などを柱に、大阪府や京都府など関西方面で2府5県を対象エリアとしてサービスを展開しています。

 1995年の阪神・淡路大震災の発生時には、地域のインフラを救うべく発災から153時間後に応急送電を完了。2011年には日本で初めて電力会社による、大規模な太陽光発電システム・メガソーラーを導入した堺太陽光発電所の営業運転が開始した。

 2018年3月期の決算では、持株会社の関西電力グループの資産総額は6兆8531億円、売上高は3兆1336億円(いずれも連結ベース)。販売電力量は電灯と電力を併せて1152億キロワット時と公表されている。

 関西電力の単独従業員数は、1万9183人で平均年齢は43歳。平均年収は757万円(Yahoo!ファイナンス)。首都圏の1都8県で電気事業などを手がける東京電力ホールディングスの749万円(平均年齢43.7歳)より、わずかながら高い水準となっている。

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