オンラインサロンはもう限界?会社や場所に”あえて”縛られる20代の生き方
書籍はツイッターで呼びかけたら出せた
――今回の出版の経緯を教えてください
えらてん:実店舗のノウハウをまとめたかったので、「誰か本を出してくれませんか?」とツイッターで募集をしたら、今回の本の担当をしてくれたイースト・プレスの編集の佐野さんが連絡してくれました。
昨今、若者の働き方の価値観は多様化しています。とはいえ「まずは就職しないといけない」「そこから外れたら道がない」と考える人が多いのは事実。新卒を逃したらアウトと考えている若者の意識を変えたい、引きこもっている大人にいろんな生き方があると提案したいと、考えていました。
――具体的にどういう生き方でしょうか?
えらてん:この本は堀江貴文さんや、キングコング西野亮廣さんのアンチテーゼを狙っています。彼らの本は20代に「会社や場所に縛られるな」という価値観を提案しています。
私の本でも嫌なことからは逃げたほうがいいと書いています。しかし、それよりは特定の場所に根づいて、地域との共生や親兄弟を大事にしていく保守的なイデオロギーを提示したいと思っていました。
「男はつらいよ」の世界観で店舗を持つ
――保守的なイデオロギーとはどういったことなのでしょうか?
えらてん:どちらかというと昭和の「男はつらいよ」的な世界観です。
――「男はつらいよ」的な世界観とは?
えらてん:まずは店舗で商売をし、そこに住む状態です。拠点をかまえて、そこで仕事や子育てもする「男はつらいよ」みたいな世界観があると思うんですが、そういったものを再評価する内容です。
――たしかに保守的な価値観は、今のムーブメントとは真逆ですね。
えらてん:働く場所を選ばないホリエモン的な世界観が成り立つのは、どこに行っても、そこに文化やお店があって、地域を守っている人がいるからです。みんなが好きな場所で生きていくと文明が崩壊してしまいます(笑)。
だから僕たちも地域を守って、違った世代とも融和し、地元の名士になる必要があります。特にこれから少子高齢化が進むなかで、みんなが根無し草的に生きては跡継ぎがいなくなってしまいます。
――若者の働き方で、あったほうがいい視点はありますか?
えらてん:20代で仕事に成功するには、地域に注目し、そこのお店の跡継ぎになることが大事だと考えています。実店舗は地元の人に信頼されるため「俺はここから動かないぞ!」という信用の担保になると考えてます。
――今後はそういった地域に根づいた活動というのが主流になってくることもありますね。
えらてん:場所を選ばないで働く20代が増えてきたからこそ、かえって「俺はどこにも行かない。ここにいますよ」と言える人にあらゆる仕事が回ってくるようになってくると思います。