年収1000万円・29歳代理店マンのそこそこ幸せな生活「自分の収入は中くらい」
「服はユニクロ、ぜいたくはほとんどしない」
佐藤さんは「生命保険に入るのと一緒です。高年収のメリットは保険ではなくマンションが買えるってことです」とキッパリ。難関を勝ち抜いて大手企業に入社しただけあって、しっかりしています。
「ぜいたくもほとんどしないですね。いま着ているのもユニクロですし、服もこだわりありません。高い靴とかほしくないですし、タクシーもあまり乗らない。飲んだあとにたまに使うくらいで1回3000~4000円かかるかどうかです」
では、どこにお金をかけているのでしょうか。
「私の場合、なにしろ飲食にカネをかけていますね。海外旅行にも年に数回出掛けています。夜はほとんど外食で和食、中華、フレンチなんでも行きます。たまに1人3万~4万円の高級なお寿司屋さんに月2回程度、通っています」
とは言いながらも佐藤さん「あまり意識したことはありませんが」と前置きつつ、めちゃめちゃ稼いでいるという感覚はないそうです。
「例えばサラリーマンで年収1000万円あったとしても、手取りは70%の700万円。そこから家賃や光熱費などの固定費が引かれるので、実際に使える金額はもう200万円くらい少ないと思いますよ。たかが知れていますね」
外資系には勝てない。自分の年収は中くらい
大学は有名私立大学だった佐藤さん。両親も某有名企業に勤務するなど、彼の周りには優秀な人たちが多く、それゆえ「平均的な生活を生きている」と意識せざるを得ないようです。
「だって、外資系には勝てないです。アクセンチュアにいる友人は年収1300~14000万円とか、グーグルで年収2000万円もいます。とくにエンジニア職だと引く手あまたで年収も青天井だったりする。自分で起業した人もいて、彼らはさらに稼いでいるので、私は本当に“自分の収入は中くらい”だと思います」
そのうえで、こんなマネー哲学を語ってくれました。
「年収で1億円とかいったら自分はお金持ちだと思える気がするんです。でも、サラリーマンなら外資系銀行マンでない限り無理な話。だったら自分が楽しいと思うことをやったほうがいいですよ」
仕事が楽しいなら続ける。楽しくないなら転職したほうがいい。シンプルながらも仕事の本質をつく言葉です。
「だから今、私はすごく出世したいと思っています。早くチームリーダーや部長クラスに偉くなって、自分がやりたいプロジェクトや、同世代の優秀なクリエイターたちと働ける環境づくりをしたいです。そのために仕事をしている感じです」
「つまらないのは自分のせい。自ら努力して変えていく」と語る佐藤さん。年収1000万円超えながら、地に足がついているのはその確固たる信念があるからかもしれません。
<TEXT/井野祐真>