大塚家具、「お家騒動」で業績悪化が止まらず。若手社員の退職理由とは?
2015年にお家騒動でワイドショーを賑わせた「株式会社大塚家具(以下、大塚家具)」。
12月6日、業績悪化の影響で「創業の地」である埼玉県春日部市に所有する土地を売却すると発表。
譲渡したのは、イトーヨーカドー春日部店のある土地を含んだ622.74平方メートルと、建物(共有持分2577平方メートル相当)。インターネット通販会社のマキコーポレーションに譲渡され、譲渡益は2億1800万円となっている。
今年5月には、イトーヨーカドーの近くにあった「春日部ショールーム」も業績悪化を理由に閉店しており、地域経済の一旦を支えていた大型店の撤退に、地元春日部には動揺が広がった。
新社長・久美子氏の戦略は…
今回の業績悪化を招いた発端のひとつとして考えられるのが、2015年に大塚久美子氏と、久美子氏の父親であり、創業者の勝久氏(当時の社長)が互いの退任を求めるという「お家騒動」。
このお家騒動で、最終的に経営権を握った久美子氏は、代表取締役に就任すると、勝久氏が貫いてきた会員制販売の廃止や、高級路線から転換する戦略などを打ち出した。しかし、消費者には浸透せず、2017年の12月期の単独決算では2年連続、過去最大の約72億円の赤字を計上。
店舗の閉鎖や小型化などの業務効率化を進め、今回も「創業の地の売却」という決断に至った。一方、父・勝久氏は、2015年7月に「匠大塚」を設立。2016年6月には東京ドームグラウンド面積約2倍の春日部本店を出店した。
大塚家具の平均年収は
そもそも大塚家具とはどのような会社なのか? 1969年3月、勝久氏の出身地でもある春日部市に「株式会社大塚家具センター」として創業。1978年には都内第1号店として東京店が開設。その後も1979年に津田沼店が、1989年には横浜サービスセンターが開設した。
1993年には会員制が導入され、それから日本各地にショールームが開設されていった。現在は東京都江東区に本社を構え、従業員数は1489人で平均年齢は38.2歳。平均年収は428万円(Yahoo!ファイナンスによる)となっている。
国税庁が発表している「平成29年度版の民間給与実態統計調査」によると、サラリーマンの平均年収は約432万円であることから、平均的な年収であるといえよう。