「よいものは売れる」は嘘。大多数の人が勘違いしている、“伝える努力”の大変さ
人が言葉や話し方“だけ”で動くことはあり得ない――。ならば、仕事や恋愛で、相手を思い通りに動かすためにはどうしたらいいか? その人が置かれた立場や環境などのシチュエーションが一定の条件を満たさない限り、「人が他人の言葉で動くのはあり得ません」と語るのは、経済評論家の上念司氏(@smith796000)。
著書『論破力より伝達力』でも、伝える努力の大切さを語っている。今回の記事では、「伝える努力」は「作る努力」の10倍必要な理由を紹介する(以下、同書より一部編集のうえ抜粋)。
「伝える努力」は「作る努力」の10倍必要
以前、ビジネスパートナーである経済評論家の勝間和代さんと書籍の出版について話をしたとき、彼女は、「本は書く努力が1だとしたら売る努力は3か4だ」とおっしゃっていました。書くために使った労力の3倍か4倍は最低限努力しないと、本は売れない。「伝える努力」のほうが、物を「作る努力」の何倍も必要だということです。
私自身、本を書いたら、それを売る努力は10倍くらい必要だと感じています。それほどに、営業は大切です。
よい商品なら営業しなくても売れる?
なお、拙書『金持ちになるための濃ゆい理論』(扶桑社)にも書きましたが、様々な商品やサービスに「不要論」が存在するのは事実です。たとえば、学習塾の場合、「教材は本屋で売っているし、勉強も学校で習えるから、塾なんて存在しなくてもよいサービスではないか。存在しなくてもよいサービスを無理やり営業して売っているのではないか」というのがそれにあたります。
売れない営業マンほどこういったネガティブな言い訳に長たけていて、商品が終わっているので何をやっても無駄だと言わんばかりです。では、よい商品ならぜんぜん営業しなくても売れるのでしょうか?
たとえば、食料は全人類にとって必要なものです。ならば、食料であるトマトは営業しなくても売れるのか? いえ、売れません。別にトマトを食べなくても、インゲンやホウレンソウ、パプリカ、ピーマンなど別の野菜を食べれば困らないからです。どんなにおいしいトマトを作っても、生産者や販売業者が頑張って宣伝しないとよさは伝わらない。手にとってすらもらえません。