職場いじめの被害者が「取引先の2代目社長」と結婚。“現代のシンデレラ”に周囲の反応は
世の中には「頑張っていると報われる」と思わせてくれるようなリアルシンデレラストーリーもあるようです。今回話を聞かせてくれた木本美知恵さん(仮名・28歳)は、そんな出来事を間近で体験し、「希望をもらった」と言います。
木本さんは、おとなしい新入社員Sさんが「真面目すぎてウザイ」「冴えない」などと先輩の女性社員たちにいじられたり、いじめられたりしていることに心を痛めていました。けれどこれまでの人生、波風を立てることなく過ごしてきた事なかれ主義。
上司に評価されているのを周囲が嫉妬
「悶々とはしていましたが、いじめている先輩社員たちに意見する勇気もなく、上司たちにコッソリと報告することもできずにいました。Sさんをかばって自分が標的になるのが怖かったのです」
Sさんは、とにかく真面目。朝は誰よりも早く来て社内を掃除し、仕事が遅れている人のサポートにも積極的でした。けれど先輩社員たちからすると、真面目な性格が上司たちから評価されるのが面白くなかったようです。
「真面目に仕事をこなしたことで、先輩社員たちがいままで適当にサボってきたことが露呈。そのせいで上司たちの監視が厳しくなり、仕事量も増やされました。そのストレスがストレートにSさんへと向かった感じです」
気の毒に思って声をかけてみると…
ある日の昼休憩のとき、たまたまSさんと2人になる機会があり、たまりかねて「大丈夫?」と声をかけた木本さん。「私と話していると、木本さんもいじめられちゃいますよ。私は大丈夫なので、気にしないでくださいね」と、気の毒そうに言われてしまいます。
「余計に心配になって、『少しぐらいサボったらいいかも……』と言ってしまったのです。でもSさんは『お給料をいただいているので、その分は貢献したいと思っています。心配してくれて、ありがとうございます』と言い残し、去って行ってしまいました」
その後もSさんは、文句ひとつ言わずに仕事をこなしていました。いつか、Sさんは仕事を辞めてしまうかもしれない。木本さんが決意し、先輩社員たちのいじめについて上司に報告しようとしたある日、上司からSさんが退社することを知らされます。