コンビニのおかげで会話が増えた!寡黙な父の“意外な趣味”と共通点
初対面の人や何を話せばいいのか悩む相手でも、趣味や嗜好などの共通点がみつかって、一気に話題が盛り上がった経験のある人もいるのではないでしょうか? 寡黙な父との話題に悩み続けた平田博嗣さん(仮名・当時26歳)も、そのうちのひとりです。
平田さんは高校生の頃に母親を亡くし、年の離れた兄が転職で県外へ出たことを機に父と2人で実家住まいとなりました。父は仕事が忙しく、出張や休日出勤もあり、深夜に帰宅することも多かったと言います。
寡黙な父親との会話がプレッシャーに
「僕も母が亡くなったことで、これまで怠ってきた勉強に力を入れるようになり、親子で会話を交わすことはほとんどなかったです。とくに仲が悪いわけではなかったのですが、親子で交わす言葉は『顔を合わせたときの挨拶のみ』という状態でした」
そういった状況は、平田さんが就職しても続きます。幼少期から「オヤジは仕事で家にいない」もしくは、書斎やリビングで読書をしている寡黙なイメージしかなかった平田さんには、父と話すキッカケが見つけられなかったのです。
「オヤジは、お酒も口にしない。それは、僕が社会人になっても同じでした。リビングではテレビも見ませんし、僕は読書が好きではない。いつの間にか、会話をするということがプレッシャーとなり、高いハードルになっていました」
コンビニで買ってきたスイーツを見つけて
しかしあるとき、状況が一変します。友人たちとの久しぶりの飲み会で帰宅が遅くなった平田さんは、リビングのテーブルでスイーツらしきものを食べている父を発見。いままで、父親がスイーツを食べているところなど見たことがなかった平田さんは驚きます。
「酔っぱらっていた僕は、お酒の勢いも手伝って『何? オヤジ、スイーツ好きなの?』と、ちょっとふざけて絡むように尋ねてみたのです。そして、オヤジの正面に座りました。するとオヤジは食べる手を止め、『今日、すぐ近くにコンビニがオープンした』と答えたのです」
そしてそのあと、そのコンビニへ歩いて行ったことを話しはじめます。自宅から徒歩3分ほどの場所にオープンしたコンビニへ行ったところ、おいしそうなスイーツがたくさんあり、選ぶのに30分かかってしまったことも恥ずかしそうに話してくれました。