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大企業からの転職で後悔する人が増えている?ベンチャー企業の“誤解と後悔”

学び

 20代半ばから後半になると、現在の職場に何らかの不満を感じ、転職を考える人が現れる。世間がうらやむような大企業にいても、そんな焦りを持つ人がいる。かつての同僚がベンチャー企業で活躍しているように見えると、ますます動揺する。

ベンチャー企業

※画像はイメージです(以下同じ)

 大企業からベンチャー企業への転職は、実際のところどうなのか。今回は、もっともベンチャー企業らしいと言われるスタートアップ企業への転職を考えてみたい。1万1000人を超える会社員の転職支援に関わる転職エージェントの高野秀敏さん@keyplayers)に取材を試みた。

大企業からベンチャー転職への誤解

――早速ですが、20代の転職についてどのように見ていますか?

高野秀敏(以下、高野):僕が相談を受ける範囲では最近は、創業して日が浅いスタートアップのベンチャー企業に東大卒で大企業に新卒で入ったような人もが転職するようになっています。一方で大企業からベンチャー企業に転職する人が増えるにともない、誤解と後悔に陥る人が増えているのです。

 例えば、いわゆる新卒時の就職偏差値が高い投資銀行や戦略コンサルティング会社で働いていた人は、転職後の周囲の社員を前職の時のようなまなざしで見てしまう場合があるのです。特に仕事の進め方、考え方や意識などです。

 前職では、多くの社員が上司から言われたことを納期前にきちんとできていたようです。スタートアップ企業ではそれを忘れたり、自分ひとりで判断し、優先順位をつけて「この仕事はやりませんでした。あの仕事を優先したからです」と答える人もいるそうです。

ベンチャー転職に向いていない人とは?

高野秀敏

株式会社キープレイヤーズ高野秀敏代表

高野:特に東大卒で一流の大企業に新卒で入った人からすると、スタートアップ企業では学生時代含め会ったことがないような人もいるようです。そういった様々な社員で構成されているのが、ほとんどのスタートアップ企業です。優秀なメンバーが集まっていないと嘆き、後悔する人には向いていないのかもしれません。むしろ、メンバーや会社を成長させ、さらにレベルの高いメンバーが集まってくるように努力することが求められるのです。

 投資銀行や戦略コンサルティング会社にいたとしても、スタートアップ企業に転職した場合は、前職の実績はリセットされると考えておいたほうがよいでしょうね。取引先企業や顧客はブランド力のある企業のあなたと付き合っていたのであって、退職後は付き合えないことが多い。このあたりも誤解している人がいます。

 収入について後悔している人もいるのです。大企業からベンチャーへの転職の場合、収入がステイ(現状維持)もありますが、即戦力でない場合には下がることが多い。年収では半分や、3分の1もありえます。それでもやりたいことがあったり、将来は事業をやりたいなど、何らかの意志がある人が上手くいく傾向があるのです。

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