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「絶対に解散だと思った」天津・向清太朗が回顧する、“岩手移住”した相方からの告白

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 お笑いコンビ・天津の向清太朗さん@tenshinmukai)が原作を担当したオリジナルマンガ『推しの彼女の成り上がり~不遇なヒーラーをアイドルにして、異世界で武道館ライブを目指します~』が総合電子書籍ストア「BookLive」にて好評配信中だ。

向清太朗

天津の向清太朗さん

 主人公のアイドルオタクの大学生・幸太郎は、推しののんたんをかばって刺されてしまう。彼が目を覚ますと、そこは見知らぬ世界。目の前に推しそっくりの金髪エルフ・イレイザがいて……という物語である。向が紡ぎ出す物語に、イラストレーターとしても活躍する作画担当・幸原ゆゆさんが命を吹き込む。

 今回は、本作配信を記念して向さんにインタビューを実施。本作への想いを聞くのはもちろん、向さんの相方で現在は岩手県に移住している木村卓寛さんとの関係性や、アニメ・声優仕事に対しての向き合い方などを問うた。インタビューの最後には『推しの彼女の成り上がり~不遇なヒーラーをアイドルにして、異世界で武道館ライブを目指します~』の第1話を特別公開する。

【マンガ】⇒『推しの彼女の成り上がり~不遇なヒーラーをアイドルにして、異世界で武道館ライブを目指します~』の第1話を読む

そもそも俺は成り上がってない

――『推しの彼女の成り上がり』の制作をするにあたって気をつけたことを教えてください。

向清太朗(以下、向):編集の方と「アイドルってどうやって成り上がっていくんだろう」という話はしましたね。アイドルとして異世界で成り上がる際、どういう道が正解なのか。逆に言うと、異世界なので何でもあり。でも、何でもありだからこそどうするのか、そのバランスを気にしました。あと、“そもそも俺は成り上がってない”、“武道館でもライブをしたことないぞ、それでもいけるのか?”とも思いましたね(笑)。

――今回の舞台はどのあたりから着想を得たんですか?

向:背伸びしているテーマだと難しいだろうなと。たとえば「卓球が流行っているから卓球漫画にしよう!」と言ったって、僕の知識だと漫画『ピンポン』で止まっていて(笑)。そんな浅いところにいったって仕方がないと思ったんですよね。僕の中には“声優さんの推しをスターにしたい”という気持ちがあるので、それを種にして作っていきました。

自分の中にあるものから作る

推しの彼女の成り上がり

天津向 / 幸原ゆゆ『推しの彼女の成り上がり~不遇なヒーラーをアイドルにして、異世界で武道館ライブを目指します~』(ライブコミックス)

――自分の中にあるものを題材にする分、思い入れも強まるんですかね。

向:自分の体験と自分が持っているものを組み合わせる……ということで言えば、ネタの作り方も一緒なのかなと思います。これは、(博多)大吉さんがおっしゃっていたことなんですけど、若手のとき、大吉さんが「モテたいからコンパに行く練習をする」という漫才を作って、華丸さんに見せたことがあったそうです。そしたら華丸さんから「俺、彼女いるからできん」と言われたらしく……。

 そのときは“ウソでもやれよ”と思ったらしいんですけど、でもそれが漫才というか。華丸さんはモテたいとも、コンパに行きたいとも思っていなかったから、このネタができないと思った。それを大吉さんが引きとり、華丸さんに合うようなネタを作るようになった結果、今や「居酒屋入っておつまみ4品何を頼むか」というネタになったと(笑)。

 でもこれって、華丸・大吉さんにしかできないネタじゃないですか。そんな先輩の話を聞いて、自分の中にあるものから(作品を)作るということを学びました。

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