ウクライナショックから考える仮想通貨の使い方、個人投資家が気をつけることは
ロシアのウクライナ侵攻で、世界の株式市場は暴落しています。代わりに原油と金(ゴールド)が値上がりしていましたが、原油はOPECの増産を受けて暴騰が一段落したかに見えます。今回注目したいのは、仮想通貨(暗号資産)の動きです。資金の避難先になりうるのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの筆者(高橋成壽・@fpooji)が解説します。
ロシアルーブル建てビットコインの価格推移
まずは、市場データを元に、ビットコインの価格がどの程度動いたか確認しましょう。2022年1月3日から2022年3月11日までのビットコインの価格は以下のようになりました。
【ビットコインの価格(2022年1月3日~3月11日)】
対ロシアルーブル +41%
対ウクライナフリヴニャ -1%
対アメリカドル -15%
対日本円 -13%
ロシアの通貨であるルーブル建てでみると、2か月あまりの間に4割値上がりしています。暴騰と言えそうです。では、ビットコインは買いなのか? と聞かれたら、NOと言えそうです。
ビットコインが一種の保険に
というのも、アメリカドルや日本円に対してのビットコイン価格は13~15%下落しているからです。これは、ロシアの通貨圏の人にとってはビットコインを保有することで、資産を守ることができたと言えるものの、日本やアメリカの通貨建てではビットコイン価格は下落しているからです。
なお、各国の米ドル建てのレートは、57%のドル高ロシアルーブル安、7%のドル安ウクライナフリヴニャ高、1%のドル高円安となっています。
ロシアの通貨価値は、米ドルに対して半値以下になっています。つまり、ルーブルをビットコインに交換しておけば、資産の目減りを緩和できたことになります。一種の保険と言えるでしょう。これから先も同じ動きになるかはわかりませんが、攻撃を受けているウクライナの通貨に影響が出ていない点は興味深いです。