キャリーバッグは消耗品…蔵書1万冊超の”純文学YouTuber”が「紙の本にこだわる」理由
読書離れが叫ばれて久しい昨今。本を読む人でさえ電子書籍に移行しつつあるなかで、「紙の本」にこだわって収集し、読んでいるのが、 純文学YouTuber・つかっちゃんさん(32歳・@book_tsukatsu)だ。
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当然ながら部屋の面積を圧迫し続けるわけでもあるが、収集する原動力は果たしてどこから湧いてくるのか……本人を直撃して尋ねてみた。
2020年は「2500冊くらい買った」
――SNSなどでもご自身の本棚を公開しており、膨大な量の本をお持ちのようですが、一体何冊あるんですか?
つかっちゃん:ちゃんと数えたことはないんですが、1万冊はありますね。一番よく買ったのが2020年で、2500冊くらいは買いました。
――岩波文庫にこだわって1300冊以上も収集しているようですが、岩波文庫の魅力はどんなところですか?
つかっちゃん:どの作品が「名作」なのかがわかるところです。作品や作家の位置付けを俯瞰するには膨大な知識が必要でそれを得るのは大変ですよね。岩波文庫はいつもクラシカルな名作ばかりを紹介してくれるので、読書をするうえで1つの物差しとして役立ちます。逆に言えば岩波文庫に所収された時点である程度の価値がつくので、ある種のブランド力ともいえますね。
紙の本にこだわって集める理由
――本が好きになったきっかけはなんだったんですか?
つかっちゃん:大学時代すべてのものがつまらなくなっちゃったんですよ。講義も聴く気になれないし、友人たちの間で流行ってたゲームも面白そうだと感じませんでしたし、この世の全てが面白くなかったんです。そんな時に筒井康隆の『日本以外全部沈没』を読んで衝撃を受けました。
それからは教授の講義も聞かずに教室の後ろの方で筒井康隆ばかり読んでました。「筒井康隆学」を専攻したのかというくらい(笑)。読書に心酔して、僕の大学時代は、他に思い出もないくらいです。
――断活の流行もあり、世の中は紙の本から電子書籍に世の中が変化していますが、紙の本にこだわるのはなぜですか?
つかっちゃん:まず、眺めてるだけで嬉しくなりますよ(笑)。あとは、思い立った瞬間に目当ての本が家にあってすぐ読めるのがいいところです。所有欲を満たしているという側面ももちろんありますね。それに、本は気軽なプレゼントとしても使えます。旧時代的でアナログなコミュニケーションの方法かもしれませんが、とてもいいと思いますよ。