猫8匹が社員、名刺もあるよ。「癒し課」を作った印刷会社の猫愛
足立区の荒川と隅田川に挟まれた住宅街にあるしまや出版(@ShimayaTokyo)は同人誌専門の印刷会社。念のため説明しておくと、同人誌とは個人が趣味で制作する漫画や小説のことである。
しまや出版は、保護猫を社員ならぬ「社猫」として迎え入れており、平成22年2月22日(猫の日)に「癒し課」として猫の専門部署を立ち上げた。
【画像をすべて見る】⇒次へ>をタップすると次の画像が見られます
そして、癒し課の発足から11年後の今年2021年には、社猫たちのフォトブック『私たち、癒し課に配属されました』を発刊。撮影・デザイン・編集・印刷・製本・出版までの全ての工程を自社で行っている。
癒し課の立ち上げにいたるまで
癒し課立ち上げの経緯から、異例のフォトブックの出版にいたるまで、もともとは犬派だったという同社代表取締役の小早川真樹氏はこう語る。
「癒し課を立ち上げる1年半ほど前から、保護猫は事務所にいたんです。荒川の河川敷は昔から捨て猫が多く、以前会社の向かいにあった廃屋にもノラ猫が住み着いていて。この辺は車通りも多くて轢かれてしまう猫もいたんです。
このコ達を危ない目に合わせたくないと思って2匹を社内に入れたんです。それが保護するきっかけでした。そして、語呂がピッタリな平成22年の2月22日に癒し課として、里親が見つかるまでの間の「癒し課インターンシップ生」も含めて猫の専門部署を本格的に立ち上げることにしました」
オフィスとリモートで8匹の社猫が勤務
現在、しまや出版にはオフィスに6匹、小早川氏の自宅にリモートワーク組として2匹、計8匹の社猫が勤務している。最も多いときでは11匹の社猫がいたという。主に知人からの依頼で保護した社猫が多いが、中には猫自らしまや出版のオフィスまでやって来たケースもある。
「『まよ』という猫は去年の12月に自分から2階の入り口までやって来たんですよ。ドアの前まで来て『入れてくださ~い』って感じで鳴いていて。迷い猫かもしれないと思い飼い主を探したんですが、結局見つからずうちで保護することになりました。ウソのような本当の話ですが、ここに行けば助けてくれるよって教え合うという猫のネットワークって本当にあるんだなと(笑)」
では実際、しまや出版にはどのような社猫が勤務しているのか?