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「コロナ禍で収入ゼロだった」新卒フリーランスから地方で起業した24歳女性のモットー

ビジネス

 近年注目されているフリーランスやワーケーションといった自由な働き方。好きな職種や勤務地を選択できる一方で、本当に稼いでいけるのか不安な要素も多い。新卒でフリーランスのWEBデザイナー・カメラマンとして活動し、2020年10月には株式会社しもズブを設立した藤井瑛里奈さん(24 歳・@_erina912)。

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株式会社しもズブ代表取締役の藤井瑛里奈さん

 東京で働くつもりで就職活動していた彼女だが、内定を辞退してフリーランスの道を歩んだ理由はなんだったのか。そして、現在は社名の由来にもなった静岡県下田市に拠点を置いているが、なぜその地を選んだのか。本人に話を聞いた。

新卒フリーランスを選んだ2つの理由

――そもそもどうして新卒でフリーランスを選択したのでしょうか?

藤井瑛里奈(以下、藤井):きっかけが2つあり、1つ目はアメリカ短期留学です。小学校2年生から大学2年生の夏までずっとバレーボールを続けていたのですが、それをやめて何をしようかと思ったときに、夏休みを利用してアメリカ・サンディエゴに留学へ行くことにしたんです。

 留学では語学を勉強していました。その中で、同じクラスにいたサウジアラビアからの留学生が、周りを気にせず、自分のわからないことをひたすら先生に質問していたんです。その姿に衝撃を受けて、日本では「協調性がない」と言われかねない行動が、海外では当たり前なんだと。声を出さなければ生き残れないと感じました。

――当時の経験は、フリーランスとして働くなかで役立っていますか?

藤井:そうですね。今は、自分がやりたいと思ったことは口に出すし、「ここ行きたい」「あれがやりたい」というのも自分の意思として言うようになりましたね。

金メダリストとの出会いが人生を変える

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仕事をしているときの藤井さん

――2つ目のきっかけは?

藤井:平昌パラリンピックの男子スノーボードバンクドスラロームの金メダリスト、成田緑夢(ぐりむ)選手との出会いです。初めて成田選手を知ったのはバラエティ番組で、生き方や考え方が面白いなと思って、Twitterをフォローしました。

 そこで、「1日秘書&ドライバー」を募集していたのを見て、「イケメンだし、会えるなら会いたいな~」くらいの軽い気持ちから、DMしたんです。そしたらまさかの採用通知がきて、本当に会えるとは思っていませんでした(笑)。

――勢いで応募したんですね!

藤井:そうですね。ちょうど私自身が22歳の誕生日を迎えたばかりだったこともあって、そこで成田選手から「この先どうやって生きていくの?」と聞かれたんです。私は幼い頃からバレーボールを続けて、スポーツ系の大学に進学して、自分にはスポーツしかないと思っていました。

 でも、本当に自分がやりたいことを考えているうちに、それまで目指していたスポーツトレーナーという仕事は「本当にやりたいことではないかも」と気がついて。

 そのことを話したら「自分にスキルをつけるとか、自分自身が価値となるようなコンテンツを作り上げていくことが大切だよ」をおっしゃってくれました。その言葉が特に印象的で、そこから自分の本当にやりたいことを考え始めたんです。

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