日本人とネイティブが使う「Recycle」決定的な意味の違い
日本でもSDGs(持続可能な開発目標)が良く話題になっています。リサイクルに対する関心も一層増えていると思います。リサイクルと一言で表現しても、それには色々な種類があり、それぞれに表現の仕方があるのを知っていますか?
そもそも、リサイクルと口にする時には「再利用」という日本語をイメージするのではないでしょうか?
古紙回収やPETボトルの回収などを通して、それが何か別の製品になって消費される、というのがリサイクルに対する印象です。「1万円札がトイレットペーパーになる」とか「古着が靴になる」というのを耳にすることもあります。
もちろん、英語でもそれをRecycleと呼んでいます。
第65回 リサイクル
リサイクルをせずに、製品を作って、使い、捨ててしまうことはLinear useとかLinear economyと呼びます。Linearというのは「直線的」という意味。原料からゴミまでの流れが直線的に描かれることに由来します。
それに対して、私たちが一般的に「リサイクル」と言っているのはReuseの過程です。つまり、原料から製品が生まれ、それを使い、その後は製品に生まれ変わります。その生まれ変わる過程がRecycleです。
しかし多くの場合、リサイクルされた製品はその後、捨てられてしまいます。
一方で、原料から製品が生まれ、それを使用して製品にリサイクルするという輪を半永久的に続けよう、というのがCircular economyと呼ばれるリサイクルです。つまり、ごみを生み出さないという努力ですが、Linearが「直線」であったのに対し、Circularは「循環」を意味します。
リサイクルは「再利用」ですが、このCircularの概念では「循環利用」です。循環(型)経済とか、循環資源という言葉が使われることもありますが、その元となっているのが、このCircularという単語です。
RecycleとLoop。似た意味だが…
また、Loopという言葉も良く使われます。Loopも「輪」の意味です。やはり直線的ではなく、製品を生まれ変わらせて何度も限られた資源を使うという「輪」がイメージされる表現です。
ちなみに、リサイクルを語るにあたって基本的な単語となるのは、「資源」と「ゴミ」。資源はResourceですね。HRやHuman Resources(人事)という言葉で馴染みがあるでしょう。
Natural resourcesと言えば自然資源のこと。ゴミは一般的にWasteと呼ばれています。RubbishやTrashなども「ゴミ」の意味がありますが、リサイクルに関する文脈での「ゴミ」という意味では、Wasteが使われます。
英語圏の家庭でごみを分別するときに、「資源ごみ」はRecyclable garbage(Trashなどをつかうことも)と言う風に、Recyclableという形容詞を使います。
<TEXT/木内裕也>