“逆輸入俳優”大谷亮平「20代の僕はまだ何もしていなかった」
深夜になると闇金屋に変わる居酒屋を営む兄弟と、そこを訪れる人々の運命を見つめた映画『ゼニガタ』の公開がスタートした。
主人公の富男を演じるのは、韓国での活動後、2016年に日本での活動を開始し、連続ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で一躍名を広め、躍進を続ける大谷亮平(37歳)さん。
本作で映画初主演を果たした大谷に、役作りについて、韓国での日々、日本へ戻ったときのことなどを聞いた。
『ゼニガタ』が初主演で映画でよかった
――日本での映画初出演作(公開順)であり、初主演作ですね。
大谷亮平(大谷):はい。ダブルで嬉しいです。テレビももちろんですが、やはり俳優としてスクリーンに自分が映るというのは、格別な気がするんです。
実は、『ゼニガタ』は、普段僕が好んで観るテイストの作品ではありませんでした。闇金って、自分とはあまりに遠い世界なので、共感できることもないかなと。
でも脚本を読んで、闇金をきっかけにして、債権者たちの人間ドラマや、どん底の人たちだからこそ描ける物語が面白くて、ハマってしまいました。自分の役も魅力的に思えましたし、『ゼニガタ』が初主演で、初出演の映画でよかったと、すごく思っています。
――闇金屋の主人公・富男を演じてみて、彼の仕事人としての面など、感じるところはありましたか?
大谷:それが、それを仕事として捉えている感じがあまりなかったんです。
富男は、お金のことを知り尽くしている人間で、取り立てる、回収するというシステムを弟がやっているからこそ、仕事が成り立っているんです。
けど、富男自身は、闇金業を媒介として、一人ひとりがどうなっていくのか、最後まで見届けてやろうという気持ちのほうが強いというか。ビジネスなのか、そうじゃないのか、曖昧なところでやっていた感じです。