ボーナスがないのは法律違反?基本ルールをおさらい
12月も近づき、そろそろ冬のボーナスの使い道を考えている人もいるのではではないでしょうか。
経団連は、東証1部上場従業員500人以上の企業を対象に、冬のボーナス水準の妥結額を調査していましたが、回答のあった82社の状況をまとめ、1次集計として公表しました。
それによると、従業員1人当たりの平均はおよそ96万円となり、2018年に比べて1.49%増額、2年連続で過去最高を更新しています。ただ、12月下旬に公表される最終集計では、業績を見直した企業や、労使交渉の妥結に時間がかかる企業の結果も反映されるため、金額は今回よりは下がると見込まれています。
そもそもボーナス(賞与)とは、どのような性質のものなのでしょうか? 賞与の支給は法律で定められていることなのでしょうか?
ボーナスは法律で義務づけられてはいない
昭和22年に公表された通達によると、賞与とは「定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないものをいう」とされています。
また、労働基準法で定める賃金は「労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」とされていますので、賞与も賃金に当たると言えます。賃金には、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならないという原則がありますが、賞与は上記の性格からこの原則から除外されています。
賞与の支給を義務づける法律はありません。労働契約書や就業規則等で「賞与は原則として支給しない」「従業員の評価、会社の業績により支給することがある」「会社の業績によっては賞与を支給しないことがある」などの定めがあれば、会社は必ずしも賞与を支給する義務はないことになります。
ただし、就業規則や賃金規程で、賞与の計算式や支給のルールを記載しているときはこの限りではありません。具体的には「賞与は基本給の〇か月分に0.3~1.5までの係数を掛けて計算する」「売上高の〇%を支給する」などと定めている場合には、会社は業績が悪化してもこうしたルールに従って賞与を支払わなくてはなりません。
また、過去長きにわたり年2回の賞与の支給が継続的に行われているような場合には、労使慣行が成立しているとして、賞与の支払を請求できるケースもあります。