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立教大学が「AI専門の研究科」新設。社会人がAIでチャンスを掴むには?

学び

 近年、AI技術をどうビジネスで活用していくのかが注目されている。そんな中、日本初の人工知能科学に特化した研究科が、2020年4月から立教大学大学院に開設される。

 平日の講義は18時55分スタート、昼夜間開講と土曜日が中心で、社会人が学びやすいカリキュラムとなっている。6月と7月に実施された説明会には、63名の定員に対して合わせて500名近い人数が訪れた。その多くが社会人であり、ビジネスパーソンから高い注目が集まっている。

立教人工知能HP

立教大学大学院人工知能科学研究科、公式HPより

 社会人が人工知能を基礎から学ぶメリットとは? 理系出身じゃなくても入れるのか? 研究科開設に携わり、設置準備室室長を務める内山泰伸教授に話を聞いた。

社会人の視点を取り入れて新たな可能性を創出

立教大学内山泰伸教授

人工知能科学研究科の立ち上げを牽引した、内山泰伸教授(立教大学提供)

――立教大学大学院人工知能科学研究科は、日本初のAIに特化した研究科ということなのですが、開設に至った経緯を教えてください。

内山泰伸教授(以下、内山):私の専門である宇宙物理で、宇宙観測のデータ分析に人工知能の技術が活用できるのではないかと思い、2017年からAI技術に取り組み始めました。そこで感じたのが、人工知能の面白さと、今後さらに幅広い学術の分野にAI技術の活用が広がっていくだろうということでした。そこで、人工知能を切り口にした新しい組織を作ったら面白いことが起きるのではないかと思い、開設へ動き始めました。

 人工知能、特にディープラーニングを学術分野で応用する試みははじまったところで、社会学や経済学など、様々な分野にアーリーアダプター的な研究者が点在している状態です。そのため本学内だけでなく、他大学や最先端のAIプロジェクトに関わる企業からも教員を招き、文理融合型の研究科として立ち上げることになりました。

――研究科では、人工知能の基礎である機械学習、ディープラーニングを学び、さらに「社会実装」プログラムとして提携企業との共同研究ができるということです。社会人を歓迎されているのはなぜでしょうか?

内山:マーケティングや観光などの様々な業界で活躍する社会人の「AIの技術を来年からでも業務に応用したい」というニーズに応えられる研究科にしたいと思っています。

 それぞれの分野の専門知識を持つ社会人がAIの技術を身に付けることで、トータルとして新しいタイプの人材になってもらえればと思います。もちろん、長期的な展望を持って人工知能を研究することも重要ですから、2つの方向性を両立できる研究科にしていきたいですね。

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