シェアハウスを“出会いの穴場”に転換。ぼっち男子の抜け目ない戦略
若者世代を中心に人気を集めている「シェアハウス」。「出会いがありそう」「プライバシーが守られないのでは……」など、イメージは人それぞれかと思いますが、なかにはこんな活用の仕方をしている入居者もいるようです。
中谷真也さん(仮名・27歳)は都内の繁華街で働くバーテンダー。現在は20人ほどが入居する中規模なシェアハウスに住んでいます。
シェアハウスを選ぶ上での3つの条件
「シェアハウスに住んでるバーのお客さんから『毎日が楽しい』という話を聞いて、興味を持ちました。時間が不規則な仕事をしていると、友だちと予定を合わせるのも一苦労だけど、シェアハウスならその日に休みの人がいれば、気軽に遊びに行けるなと思ったんです」
さっそく仲介サイトを精査し、最終的に選んだのは、外せない条件3つを含む物件でした。
「条件の1つ目は職場から徒歩圏内であること。あと、『テラスハウス』に憧れていたので、男女混合はマストでした。残り1つはオープンから間もないということ。バイトなんかもそうだと思うんですけど、オープニングメンバーってなぜか結束力が強くて絆が深まりやすい気がしたんです。実際に、ゴミ捨てや掃除の当番などルールを、イチから決めていく行程で議論を交わすうちに打ち解けていった感がありました」
シェアメイトのズボラな面に幻滅
希望通りの物件に入居した中谷さん。敷金礼金が掛からず、家電一式揃っていたので、一般的な賃貸物件と比べると、引っ越し代はかなり抑えられたとか。当初は同じフロアに女の子が住んでると考えただけでドキドキしたそうですが――。
「確かに毎日楽しかったです。洗面所で歯を磨いている背後をシャワー上がりの女の子が通っていく……なんてシチュエーションは他ではありませんしね。でも誰かを好きになることはありませんでした。
というのも、良いなって思える子がいても、一緒に住んでいるうちに片づけられないとか、当番を守らないとか、どうしてもズボラな面が見えてしまい、幻滅してしまって……。あまりに近すぎる距離から人を好きになるのも難しいんだなと痛感しました」
それでも、若い男女がひとつ屋根の下で暮らしているわけですから、何も起こらないはずがなく、3組ほどカップルが成立します。そして関係を隠しながらコソコソ互いの部屋を行き来するという、本家のテラスハウスで既視観のあるような男女の姿も。
なかなか相手が見つからず、ぼっち状態だった中谷さんは、そんな様子を見て、ちょっとだけ「うらやましい……」と思いつつ、別の方向に舵を切ることにするのです。