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「ラーメン凪」代表が語る、人の育て方「ポストが赤いのも自分の責任と思え」

ビジネス

 近年、競争の激しいラーメン業界において次々と“新基軸”を打ち出す株式会社 凪スピリッツ。

ラーメン凪

凪スピリッツ 代表取締役社長・生田智志さん(41)。ゴールデン街本店の扉を開けると目に飛び込む怪しげな照明は香港のクラブにインスピレーションを受けたとか

すごい煮干ラーメン凪」や「ラーメン凪 豚王」といった店舗運営だけではなく、昨年末にはフードテックとの共同開発による完全栄養ラーメン「BASE RAMEN すごい煮干し」を発売。

 今年1月にオープンした田町店ではAIによる顔認証システムを導入するなど、これまでのラーメン業界に見られなかった取り組みが注目を浴びています。

インタビュー前半はこちら⇒ 「ラーメン凪」代表が初めて語る修行時代。“一蘭スープ工場”で…

ラーメン凪代表が語る「ほしい人材の集め方」

 冒険を続けるグループの背景にあるのは、代表取締役社長・生田智志さん(41)をはじめとするスタッフの情熱です。前回の記事に引き続き、グループ発祥の地である「すごい煮干ラーメン凪」新宿ゴールデン街店本館にて話を伺いました。

 2004年に創業して以来、2010年には海外進出も果たし、国内外に50店舗以上を構えるほどの成長を遂げたグループに集まるのは「大学生や20代~30代半ばの人たち」と言います。

「一般的な会社は『優秀な人』を採りたがる傾向にあるかもしれませんが、僕としてはむしろ即戦力ではない人を採りたい。噛み砕いていうならば、どこか『磨けば光ると思わせてくれるような人』です。

 理想としては素直で物事を早く進められるのに加えて、できれば失敗体験を持っていたほうが理想的。部活の大会で挫折した経験でも、彼女にフラれた経験も面白い。今、働いているスタッフにもいろいろな人間がいます」

社員教育を見直して「即戦力」を採らなくなった

ラーメン凪

右はスープファクトリー(製造)担当の大曽根悠二郎さん。19歳で凪と出会い、社員となって実に10年が経つという

 会社の成長期には「即戦力を採っていた時期もあった」(生田さん、以下同)そうですが、社員教育の反省から「組織づくりを見直した」と明かします。

「昔は、すぐに店長を任せられそうな人を採っていた時期もありました。ただ、実際の現場を見て『長年、頑張ってきたヤツが活躍できないというのはおかしい』と思い、自分たちが育てられていない結果だと気づかされたんです。

 例えば、僕らが草野球だとするなら、1人だけ大リーガーが鳴り物入りでやってきたら、最初はチームとして機能するので面白いけど、日が経つにつれて、みんなの足並みが揃わなくなってきてしまうはず。そんな職場はツマラナイだろうし、みんなが同じ目線や感覚を持って、努力や悩みを共有できるほうが大切だと感じます」

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