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AIのプロが「AIは完全じゃない」と断言!「むしろ人が管理する未来になる」と力説するワケ

AIのプロが「AIは完全じゃない」と断言!「むしろ人が管理する未来になる」と力説するワケ

“AIによって生産性を高め、人の可能性を解き放つ。”をミッションに掲げるスタートアップ、株式会社Cogent Labs(コージェントラボ)が、新たな文書の自動データ化サービス「COGENT AI SmartRead PLUS+」をリリース。発表会には社長も登壇するということで、「これからAIはどうなるの?」などを聞いてきました!

文書データ化の旗手と情報資産管理のプロがタッグ

「COGENT AI SmartRead PLUS+」は、信書などビジネスシーン向けのサービスで、注文書、請求書、納品書、証明書、報告書などあらゆる形式の文書に対応しています。

COGENT AI SmartRead PLUS+

フローとしては、クライアントから文書の引き取りとスキャンを行い、AIが自動で仕分けてデータ化。そのうえで、専門オペレーターによる確認・補正プロセスを組み込むことで、これまで読み取りが難しかった信頼度の高い文書でも、構造化データを提供するとのこと。

COGENT AI SmartRead PLUS+の特長

この中でポイントとなるのが、堅牢なセキュリティ体制と専門性の高いオペレーションスキルです。そして、このプロフェッショナルな業務を担うのが、国内金融機関や官公庁をはじめ、多くの企業へのサービス提供実績を持ち、情報資産管理のリーディングカンパニーとしても知られる、株式会社NXワンビシアーカイブズ。

株式会社NXワンビシアーカイブズ会社紹介

コージェントラボは、高性能な次世代AI OCR(光学文字認識。アナログ資料の文字をデジタル化)「SmartRead」をすでに提供中。とはいえ、同サービスにはAIエージェントだけでは成し得ないプロセスがありました。それが、目視確認やイレギュラー対応といった人的領域。

これらをNXワンビシアーカイブズのオペレーターが補完することで、信頼できる情報ソリューションを実現したのが「COGENT AI SmartRead PLUS+」なのです。

約10年後には1.85倍も深刻な労働力不足に!

「COGENT AI SmartRead PLUS+」がリリースされた背景には、日本が抱える労働力不足という社会課題がありました。いまでも多くの企業が、依然として残る紙文化や業務生産性の課題に直面しています。

その解決法として、AIやAIエージェントによる業務効率化へ期待が高まっているのも事実。しかし、整備されたデータがなくAI活用ができない、または運用におけるセキュリティ面での不安、出力結果の不確実性といった課題も叫ばれています。

労働力不足という社会課題を解決するためには、AIの利用が必要

こうした声に対して生み出されたのが、文書を預けるだけというシンプルなプロセスで、煩雑な文書のデータ入力業務を安全に完全自動化できる、「COGENT AI SmartRead PLUS+」なのです。

人がAIをスーパーバイジングする必要がある

発表会で個人的に気になったのは、コージェントラボの社長が繰り返し、「AIは完全ではない」「AIの導入だけでは不十分」と、AIに対する過信に警鐘を鳴らしていたことです。

翻って世の中の論調としては「〇年後には〇%の人がAIに仕事を奪われる」「AIに仕事を奪われる職業は○○だ」といった話題が散見され、なかには「人類はAIに支配される」といった恐怖心をあおるようなパワーワードも。

AIのプラットフォーマーであるコージェントラボとしては、その技術進化や見通しにも明るいはず。そこで直接、同社代表取締役のエリック・秀幸・ホワイトウェイさんにインタビュー。中長期的な視野で見ても、AIは不完全なのでしょうか?

株式会社Cogent Labs代表取締役エリック・秀幸・ホワイトウェイ氏

「確かにAIは飛躍的な進化を遂げており、並行して精度が高まっているのも事実です。ただしAIは完全無欠なのか、100%信頼できるかといえば、難しいのではないでしょうか。それがたとえば命を預かる医療データ、文書や数値のミスが許されない保険や金融の領域であれば、なおさらです。

こうした、100%正確であることが当然なデータに関してはもちろんのこと、必ず誰かがチェックを重ねて信頼を担保することが欠かせません。いわば、人がAIをスーパーバイジング(管理、監督)する必要があるということですね。

他の職種や領域でも同様です。むしろAIが不完全だからこそ、人がAIのメリットを上手に活用し、より仕事の質や生産性を高める時代になっていく。そういう未来になると私は考えています」(エリック社長)

なるほど。では、多くの企業はどのようにAIを活用するべきなのでしょうか。また、AI導入後によりよい成果を出すコツは? こちらはコージェントラボの取締役常務執行役員、木本恭次さんが答えてくれました。

コージェントラボ取締役常務執行役員、木本恭次氏

「AIの活用に関しましては、テクノロジーに強い、あるいは知見やリソースを持っている企業様であれば上手に運用できると思いますが、やはり専門領域ですので一朝一夕に成果を出すことは簡単ではありません。特にトラストデータを扱うのであれば、AI活用に資本投入する分を、ぜひ『COGENT AI SmartRead PLUS+』にお任せいただけたらと思います」(木本常務)

「COGENT AI SmartRead PLUS+」はリリースされたばかりですが、すでにパイロット版として導入した企業は存在し、10社弱で運用されているとか。AIとの共存で働き方改革はよりよいフェーズを迎えるのか、労働力不足は解消されるのか。同社の活躍を含め、テクノロジーの有効活用に期待です。

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