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「ポッキー」が生まれ変わった!リニューアルの中身と不変の人気のワケ

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「ポッキー」が生まれ変わった!リニューアルの中身と不変の人気のワケ

「世界で初めてのスティック状チョコレート」として江崎グリコの「ポッキー」が誕生したのが1966年。今年は60年目を迎えた年にあたる。このロングセラーブランド「ポッキー」の主力商品である「ポッキーチョコレート」と「ポッキー極細」の2種が2025年9月2日、リニューアル発売された。

厳選されたカカオ豆を使用

今回のリニューアルの一番のポイントは、カカオなどの素材の変更。カカオ豆は、たとえ同じ国のものであっても産地によって風味が異なるという。「ポッキー」により合うカカオ豆を見つけるために、さまざまな産地から特徴が異なるカカオ豆を30種以上も取り寄せ、厳選されていった。最終的に南米ペルー産やその他の2種類のカカオ豆をブレンドしたこだわりのチョコレートが、リニューアルされた「ポッキー」で使われることになった。

江崎グリコ株式会社グローバルブランド事業部の鈴木葵さん

「10年ぶりのリニューアルですが、当初からこの日程を想定していたわけではなく、10年かかってしまったというのが正しいかと思います。ロングセラーブランドとして、常にその時代時代のお客さまのニーズに応えて生まれ変わっていかなければならない。それはブランドとして変わらずに持っております」と江崎グリコ株式会社グローバルブランド事業部の鈴木葵さん。

10年という時間の中での消費者の変化として、安心・安全な食品への希求も大きいと鈴木さんは話してくれた。

プレッツェルには国産全粒粉や発酵バターを使用

チョコレートとともに、「ポッキー」の特徴でもあるプレッツェル部分も見直されている。風味豊かな国産全粒粉や発酵バターが選定された一方で、色素や膨張剤などは使用をやめ、シンプルな設計に変わっている。

「例えば添加物があまり入っていないものがいいとか、品質を求めて商品を選ぶ客さまが非常に増えていると思います。そういった時代感の中で、『ポッキー』がどうあるべきかということも考え続けています。ポキッと食べる軽快な食べ心地であったり、絶対に変えてはいけないところもあります。その上で、原料の背景としてもしっかり向き合ったものを調達するというところも含めて、変えていくべきところは変えていったのが今回のリニューアルでした」(鈴木さん)

ポッキーの形状が「立体商標」として認定

ポッキーの歴史

手を汚すことなく、会話をしながらでも食べられるスティックチョコレート。60年変わらないその商品形状は、今年7月に特許庁から「立体商標」として認定された。形状のみで「ポッキー」と認識される。つまりそれだけ多くの人に愛され続けているということでもある。リニューアルに際して「Share happiness~分かち合うって、いいね!」がメッセージとして掲げられている。

「自分自身が食べてうれしいとか、素材にこだわって安心して食べられるものは、他の人にもおすすめできると思うんです。食べることで笑顔になる。それを周りのみなさんにシェアしていくこと。小さな喜びが『ポッキー』によって広がっていく。それが私たちの目指しているものです」(鈴木さん)

「ポッキー」のリニューアルにともなう優しい進化は、素材にこだわり、おいしさを追求してのものだったのだろう。60年近くにわたって愛され続けている理由がそこにもある。

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