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日本の総人口1億2,433万人!日本人住民は90万人超減少【やさしいニュースワード解説】

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日本の総人口1億2,433万人!日本人住民は90万人超減少【やさしいニュースワード解説】

在京の大手メディアで取材記者歴30年、海外駐在経験もあるジャーナリストが時事ニュースをやさしく解説。今回は、「日本の総人口と外国人」です。

日本の総人口は前年比55万人減少

日本の人口がどれぐらいか、数字をイメージできますか。総務省が8月上旬に発表した住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、2025年1月1日現在の日本の総人口(外国人含む)は1億2,433万690人で前年と比べて55万4,485人減少しました。

このうち日本人住民は1億2,065万3,227人で前年より90万8574人(0.75%)減り、16年連続の減少となりました。減少数、減少率ともに1968年(昭和43年)の調査開始以来で最大でした。このまま減少傾向が続くと2026年には1億2,000万人を下回る可能性が高くなっています。日本の人口=約1.2億人という教科書的イメージが実態に合わなくなるのも、そう遠い時期でないかもしれません。

外国人の人口は前年比35万人増

一方、日本に住む外国人の人口は367万7,463人で前年に比べて35万4,089人(10.65%)増え、2013年(平成25年)の調査開始以降で最多となり、全都道府県で増加しています。

石破首相は今年1月1日の年頭所感で日本の人口減少について「静かな有事」と表現しています。日本の総人口は2008年(平成20年)の約1億2,808万人のピークをつけ、これ以降減少が続いています。

東京都だけが日本人住民が増加

都道府県別に見ると、人口数の一位は東京都の1,400万2,534人で、このうち日本人住民は1,328万1,311人と前年比0.13%増加しました。全都道府県の中で唯一、東京都だけが日本人住民を増やしています。外国人住民の割合が最大だったのも東京都で5.15%でした。

東京、名古屋、関西の三大都市圏の人口は6,600万8,727人と5年連続で減少したものの、人口の割合は53.09%と13年連続で全国人口の50%を上回っています。

老年人口が年少人口の2倍以上

日本人住民を年齢別に見てみると、年少人口(0歳~14歳)は1,372万5,356人(全体の11.38%)で、1994年(平成6年)の調査開始以降、毎年減少しています。生産年齢人口(15歳~64歳)は7,123万5,169人(59.04%)、老年人口(65歳~)は3,569万2,697人(29.58%)となっており、老年人口が年少人口の2倍以上になっています。

今回の調査で特徴的なのは日本人が90万人以上減った一方、外国人の人口が35万人以上も増えたことです。日本の少子化傾向があらためて確認され、それへの対策とともに、外国人の増加に対しては言語、医療、教育など多文化共生に向けての対応が一段と必要となるでしょう。一部の自治体では、外国人住民をめぐるトラブルも顕在化しており、国と地方自治体が一体となった取り組みが求められます。

在京の大手メディアで取材記者歴30年。海外駐在も経験。

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