中国・深圳の自動運転タクシーに乗ってみた!予約から清算までアプリで完結

前回の記事では、中国と日本の自動運転について概要をお伝えしました。中国では、北京や上海、深圳をはじめとした大都市の一部地域で、自動運転の実証運行が始まっています。今回は、2025年1月に筆者が実際に深圳を訪れて自動運転タクシーに乗車してみた様子をレポートしてみます。
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日本人も乗車できるPony.aiとは

今回利用したサービスは小马智行(Pony.ai)。シリコンバレーと広州に本社を置き、2016年12月に設立されました。トヨタや現代自動車などが提携しており、自動運転技術を共同開発しています。
深圳では、他に萝卜快跑(Apollo Go)と呼ばれるサービスがありますが、2025年1月時点で外国人が乗車できるのはPony.aiだけのようです。
乗車のために必要なのは、現地でSMSを受信できるスマートフォンです。国際ローミングができれば日本のキャリアでも問題ありません。ただし、SMSを受信できるのは、中国、香港、マカオ、アメリカ、日本、シンガポールに限られているようです。
アプリにログインしたら、Uberのように乗車地点と降車地点を選択してタクシーを呼びます。自動運転タクシーが走行できるエリアは限定されており、市内全土を自由に行き来できるわけではありません。
タクシーが捕まると画面が切り替わり、車両の現在地と到着時間が表示されます。

ハンドルを握ることなく目的地に到着
迎えにきたのはLEXUSのRX450h。完全無人のタクシーも走っているようですが、筆者が呼んだ車には運転手が乗っていました。

後部座席に乗り、シートベルトを締めモニターをタップすると発車します。


周囲に車が走っていても自動で車線を変更します。カーブを曲がるときにハンドルが自動で回転する様子を見ると少し不気味な感じもしました。

後部座席のモニターでは、目的地までのルートや道路状況などを表示することができます。


ドライバーは車の周囲を目視して安全を確認していましたが、終始ハンドルを握ることはありませんでした。目的地に到着すると、画面が切り替わり、ドアのロックが解除されます。

目的地までの距離は約7.6kmで運賃は23.9元(約495円)でしたが、実証運行中ということもあったのか、支払い時には全額割引され無料で降車することができました。

エリアや乗車位置などに制限あり
現在は運行エリアは限られており、どこでも気軽に乗れるわけではありません。交通ルールを守り、安全性を確保するため、あらかじめ乗車・降車のポイントが定められています。通りかかった空車表示のあるタクシーを、手を挙げて止めて乗車することもできません。
しかし、運行エリア内に、ショッピングモールや住宅地、大きな公園などのランドマークが点在していることを考えると、日常生活で活用できる未来もそう遠くない気がしました。
深圳に行く機会があれば、ぜひ自動運転タクシーに乗って近未来を味わってみてください。
[参考]
小马智行(Pony.ai)