ランチと昼寝でがっつり休む!中国の習慣「午睡」とは?
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昼寝の国といえば、真っ先にスペインのシエスタを思い浮かべるのではないでしょうか? 実は、お隣・中国でも学校や職場において、多くの人に昼寝の習慣があることはあまり知られていません。この記事では、中国のお昼の習慣「午睡(ウーシュイ)」についてお伝えします。
日本よりも長い中国の昼休み
お昼時になると、学校の周りに人だかりができるのは中国ならではの光景です。中国の学校では、お昼に一度自宅に戻って昼食を取ることが一般的。2時間のお昼休憩があることも珍しいことではなく、昼食のあと昼寝をしてリフレッシュしてから再び登校する子どもたちもいます。
地域性もありますが、大人たちも例外ではありません。ローカルの工場や商店では、お昼時になると、椅子に座りながら昼寝をしている人をよく見かけます。
このような昼食後の仮眠は「午睡(ウーシュイ)」と呼ばれ、ひとつの習慣になっています。
一般的に、中国北部よりも南部のほうが午睡習慣が根強いといわれています 。南部の気候は暑く湿度が高いため、午後に疲労を感じやすいことが一因と考えられます。また、農村部では夏季に屋外での農作業を行うことが多く、炎天下での労働による疲労を回復するために午睡が必要となるためとも考えられます。
一方で、中国の最大都市上海や隣接する浙江省のような経済発展の著しい西部沿岸地域では、昼休みが十分に取れず、午睡の習慣が薄れている傾向にあるようです。
現代中国のビジネスシーンにおける午睡
中国のビジネスシーンでは、午睡はどのように捉えられているのでしょうか?
国民の習慣も後押しとなり、休憩時間の範囲であれば、積極的に午睡をとる雰囲気があるようです。職場のデスクでうつ伏せになったり、ミニ枕やアイマスクを使ったりと、日本と比べると堂々と昼寝をするのが普通なのだとか。
筆者が広東省・深圳に滞在していた頃、現地の日系企業の工場を見学したことがあるのですが、お昼時になるとオフィスの照明が落とされ、従業員が静かに過ごしていたことが印象的でした。
また、筆者が勤務していた当時の日本人学校では、近隣の生活に配慮して昼食後に体育や外遊びなどの活動を控えるようにしていました。
もちろん、昼食後は社会活動がストップするほど多くの人が昼寝をしているわけではありませんが、昼寝が許容されている雰囲気は社会的な余裕を感じさせます。
中国の活気の裏にある「午睡」の習慣が、人々の活力の一部となっているのかもしれません。