楽しむことがサステナブルにつながる新しい旅「GREEN JOURNEY」とは?
持続可能な社会への関心が高まる中、環境に配慮した新しいサステナブルな旅「GREEN JOURNEY(グリーンジャーニー)」が、日産自動車と日本旅行を中心とする共同体によって発表されました。これは、CO2の排出を抑えながら地域の課題解決にもつながる国内旅行ツアーの販売を通じて、新しい旅のスタイルの浸透や、旅のサステナブル化を推進していくプロジェクトです。
通常の旅行に比べて約20%CO2削減
「GREEN JOURNEY(グリーンジャーニー)」は、日産自動車と日本旅行の2社が発起人となり、JRグループ7社や地球の歩き方、おてつたび、TBWA HAKUHODO、Earth hacks、日本ジオパークネットワークの全14社が、環境省と東北大学との連携のもと、GREEN JOURNEY推進委員会を発足し、最初の取り組みとして発表されたプロジェクト。
旅行・観光産業が排出するCO2量は世界の約1割と大きな割合を占めていることから、EVの普及を通じてゼロエミッション社会を目指す日産と、サステナブルツーリズムの実現を目指す日本旅行が手を取って、業界の垣根を超えた事業者へ協力を要請し、同委員会が立ち上がり、新たな体験や価値観の創造に取り組むということです。
最初の取り組みとして、環境に優しい移動手段、環境保全型のアクティビティ、地域文化の発展に繋がる体験を提供し、旅をとことん楽しむだけでサステナブルに貢献できるように設計された国内旅行ツアーを販売。EVに乗って、その地域の自然や文化、食事などの体験を楽しめる新しい旅で、通常の旅行に比べて約20%のCO2削減を目指しているそうです。
個人旅行のパッケージツアーとしては初の商品
これまでにも、カーボン・ゼロやサステナブル・ツーリズムを謳った旅行商品は販売されているものの、それらとは一線を画すといいます。GREEN JOURNEYは、従来のカーボンオフセットによるCO2削減ではなく、実数としてCO2排出を計算し、実際に環境に配慮した旅行としての効果が明確に測れる点が他社の商品にない特長。また、個人旅行のパッケージツアーとして、このような旅行商品を設定したのは今回が初めてだそうです。
旅行後もつながり、旅先が第二のふるさとに
また、GREEN JOURNEYでは、コネクトプログラムという新しい旅のアクティビティも用意されているのが特徴。地元産業の発展や文化の継承など、サステナブルな取り組みをしている地元の人がホストとなって旅行者と交流を行うだけでなく、旅行後も定期的にLINEのアプリを通じて地元の人から地域の情報満載のメッセージが届くので、新しいつながりが生まれ、第二のふるさとを作ることができるという特別なプログラムになっています。
第一弾は熊本県阿蘇市と三重県伊勢志摩エリア
GREEN JOURNEYの旅行先第一弾としては、熊本県阿蘇市と三重県伊勢志摩エリアが選ばれました。
阿蘇の大草原をe-BIKEで走行する体験や、地元の名店で地域の食材を使った伝統料理を堪能できる「GREEN JOURNEY 熊本阿蘇」と、リアス海岸が特徴的な英虞湾の絶景を眺めたり、伝統的な漁業や海女文化に触れたりできる「GREEN JOURNEY 伊勢志摩」の2つのツアーが販売され、2024年9月27日(金)よりツアーがスタートします。
このGREEN JOURNEYプロジェクトは、2033年までに全国200エリア旅先を拡大し、参加者数も1,000万人まで増やしていく計画。さらに、2050年までに国内旅行におけるCO2排出ネットゼロを目指すといいます。
旅行という非日常体験からサステナビリティへの意識を高めるきっかけとし、日常生活におけるサステナビリティへの取り組みへの意識や行動変容につなげようというプロジェクトが、今後どのように広がっていくのかに注目です。