「エビデンスは?」と聞かれたら何と答える?【いまさら聞けないビジネス用語】
ビジネスシーンにおいて、適切な言葉遣いは重要なスキルのひとつ。基本的なビジネス用語を理解していることは、コミュニケーションの円滑化に直結します。本記事では、いまさら人に聞けないけれど、知っておきたいビジネス用語をわかりやすく解説。それぞれの用語が持つ背景や使用されるシチュエーションを押さえておくことで、職場での会話やメールに自信を持てるようになります。今回は、「エビデンス」の意味について紹介します。
「エビデンス」は証拠や根拠を求められる場面に使われる言葉
ビジネスシーンで仮説を立てたり、なんらかの主張をしたりする際に、相手から「エビデンスは?」と聞かれたことはありませんか? そう聞かれたら、何と答えればいいのでしょうか?
「エビデンス」は英語の「evidence」から来ている言葉で、日本語では「証拠」や「根拠」という意味で使われる場面が多いです。本来は医療用語や学術用語として使われていましたが、昨今ではビジネス用語としてさまざまな分野で使われています。
IT業界では不具合を証明するデータや記録
医療業界におけるエビデンスは、薬や治療方法、検査方法などについて、その「効果のある/なし」「適切/不適切」などと判断する科学的証拠のことを指します。具体的には、臨床試験、観察研究などによって得られたデータや研究結果がエビデンスとして扱われます。
金融業界においては「公的な証明書」「信頼できる資料」をエビデンスと呼ぶのが一般的です。具体的には、預貯金や保険、株式などの金融資産や、源泉徴収票、確定申告書など、所得を証明する書類、および身分証明書などがエビデンスに該当します。そのため、証拠という意味よりも「証明」という意味で使われることが多いでしょう。
またIT業界におけるエビデンスという言葉は、システム開発などの部署で使われることが多いです。たとえばシステムが問題なく稼働していること、もしくは不具合の発生を示すものに対して、それを証明するためのデータや記録を指します。具体的には、テスト結果、データログ、スクリーンショットなどが該当します。
会議では根拠や裏付け、議事録なども
そして、一般的なビジネス用語として、会議で「エビデンス」が使われることがあります。この場合は、意見を述べる際に提出する「根拠」や「裏付け」などを指し、個人の臆測や不確かな情報でなく、数値的なデータもしくは客観的事実を用いて、主張・提案をより信頼できるものにする目的で使われます。
また、会議では議事録や関連するメール、契約書などの形に残る形跡や証拠をエビデンスとするケースもあります。口頭だけのやり取りでは「言った言わない」のトラブルになることもあるため、エビデンスを残すことが大切です。
このように、エビデンスは使われる場面や業界で異なる意味を持つ言葉であるため、まずは自分が置かれている状況下で何を求められているのかを正しく理解しなければなりません。最近ではSNSなど個人的な発信でもエビデンスが求められることもあるので、正しい情報や証拠を持って発信することを心がけましょう。