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「出社不要・フルリモート」副業を探すならどこ?関東・近畿・中部より熱い地方が存在

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近年、生活費や将来の不安に備えるため、副業を希望する人が増加しています。また、収入を補うだけでなく、新たなスキルを身につけたり、趣味を活かしたりする場としても注目される一方で、さまざまな課題やリスクも存在しているのが実情です。そこで、副業に関する調査結果をもとにその実態に迫り、副業を検討する人々にとって有益な情報を提供していきます。今回は、完全リモート可(出社不要)の副業を受け入れている企業がどこに多いのかを紹介します。

完全リモート可で出社不要な副業求人を探そうと思ったら

副業をする際、自分の本業との関係性、身バレの防止、効率性を考えて、完全リモート可の求人を探したい人もいると思います。

都市部に暮らしながら、地方で副業を見付けて移住の足掛かりにしたいだとか、「ふるさと副業」してみたいだとか。自分の暮らす地域とは遠い場所で副業をしたい人は特に、完全リモート可の副業だと助かりますよね。

ただ、完全リモート可で出社不要の副業求人など、そんなにたくさん存在するのでしょうか。

そもそも、副業を認める会社は増えてきていても、副業を受け入れる会社はそんなに多くないという実態も存在します。

関連:46%の企業が「副業を認めている」一方で受け入れている企業は何%?

積極的に副業を受け入れている会社、かつ、完全リモート可で出社不要な求人を探そうと思ったら、どういった風に当たりをつければいいのでしょう。

四国地方がナンバーワン

そのヒントとなる調査が存在します。パーソルイノベーション株式会社(本社:東京都港区)が運営する〈lotsful(ロッツフル)〉の地域別副業実態調査です。

全国47都道府県の企業に勤める人事・経営企画・経営者1,981人にアンケートを実施した「地域別 副業に関する実態調査 vol.02」では、調査回答者の所属企業における副業施策、完全リモートワークの受け入れ有無などを聞いています。

同調査によると、副業人材の受け入れが最も多かった企業は上から順に地域別で見ると次のような結果になったそう。

四国地方・・・32.6%
近畿地方・・・29.0%
中部地方・・・28.4%
関東地方・・・22.9%

全体が23.5%ですから、関東地方は平均値を下回っている形になります。もちろん、副業人材を受け入れる企業が割合として多かった地域という意味であって、副業の求人数が四国にたくさんあるという意味ではありません。

そもそも、関東と四国では企業の数が全く違います。例えば、東京都には大企業が4,582社存在し、中小企業が41万9,013社存在します。一方で、四国で最も人口の多い愛媛県には大企業が63社、中小企業が3万9,605社です。

分母となる企業の数がけた違いなので、割合の大小に違いがあっても、副業絡みの求人数そのものは関東のほうが豊富にあるはず。

ただ、四国や近畿にはウェルカムな雰囲気があるという話。リモートで副業を探している人には貴重な情報のはずです。

完全リモート可の企業も四国には多い

副業の受け入れに積極的な企業が四国に割合として多いとわかりました。ただ、いきなり四国に移住できない人は、そんな風に言われても困ってしまいます。

完全リモート可で出社の必要がない副業求人を出す企業の割合も多ければ助かるのですが、実態はどうなのでしょうか。

先ほどの「地域別 副業に関する実態調査 vol.02」には「副業人材の受け入れを行う場合、完全リモートワークでの受け入れは可能か?」と聞いた質問があります。

その問いに対して「完全リモート可(現地訪問不要)」と答えた企業は、以下の地域に(割合として)多いと明らかにされています。

中部地方・・・33.8%
四国地方・・・33.3%
近畿地方・・・30.9%
関東地方・・・29.7%

全体平均は28.5%です。四国については、完全リモート可(現地訪問不要)と答えた企業の割合も高いとわかります。

それほど人口の多くないエリアで移住の取っ掛かりのように副業を始めたいだとか、完全に身バレしない遠い場所でフルリモートの副業を始めたいだとか、中部、近畿、関東といった大都市圏以外で副業を始めたい人は、四国を狙えばいいということですね。

ちなみに、完全リモート可(現地訪問不要)で副業従事者を受け入れられると回答した企業の割合が最も低かった(0%だった)地方があります。北海道です。

あくまでも、数ある調査の中の1つの結果にすぎませんが、出社不要のフルリモート可の副業を北海道で探そうとすると、ちょっと大変になるかもしれませんね。

[文/坂本正敬]

[参考]
地域別 副業に関する実態調査 vol.02 – パーソルイノベーション
都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者総数 – 中小企業庁(PDF)

〈bizSPA!フレッシュ〉元編集長。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉創刊編集長。執筆者としては、国内外の媒体に日本語と英語で寄稿。翻訳家としては訳書もある。技能五輪国際大会における日本代表選手の通訳を直近では務める。プライベートでは、PTA広報誌の編集長も兼務しており、広報誌の全国大会では受賞経験もあり。

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