副業をはじめようとネット検索をしたとき、アンケートに回答してポイントをためるサイトと同じぐらいヒットする覆面調査、気になっている人も多いかもしれません。そこで今回は、10年以上も覆面調査員を続けている持田絵里さん（仮名・30代）に話を聞きました。

覆面調査とは

覆面調査という言葉自体はよく耳にするけれど、「実際はどのような仕事で、どれぐらい稼げるのかはボンヤリとしかわからない」という人も多いようです。実際には、どのような仕組みになっているのでしょうか。

「覆面調査員の仕事は指定された店舗や施設へ行き、調査項目となっている接客や提供しているサービスなどを調べることが多いです。ただ、中には私が担当した店舗の本社から調査会社に指名依頼が入り、店長や役員の方にアドバイスすることもあります」（持田絵里さん、以下同）

飲食店に行って食事をした感想を書くだけというライトな内容もあれば、自分の意見や改善点を先方の会社に直接伝えることもあるという覆面調査の仕事。真面目にやればやるほど、選べる案件や調査会社からのオファーも増え、仕事の幅が広がっていく。

「覆面調査に応募したキッカケは、飲食店の食事がタダになること。調査へ行くことでランチや夕食を作る手間を省き、節約していました。それが楽しくて複数の覆面調査会社に登録していると、同じような案件でも内容や報酬が大きく違うことに気づいてしまったのです」

覆面調査の始め方と注意点

インターネットの検索窓に“覆面調査”と入力するだけで、覆面調査員を募集するさまざまなサイトがヒットします。求人サイトなどに掲載されているケースも少なくありません。ただ、そのなかには闇バイト同様、怪しい募集も紛れているので注意が必要です。

「応募しようと思った覆面調査の会社名をネット検索したり、口コミや評判などを調べたりしてから応募してください。私も新しい会社に登録するときには毎回やっていました。調査内容や報酬など詳細については、実際に覆面調査員として登録しないと表示されません」

登録自体は、ネットで完結することがほとんど。ただ、中には郵送で契約したケースもあり、「会社によっては登録や案件ごとに簡単なテストがあります」と絵里さん。また、「申告した内容や契約に虚偽や問題があると、損害賠償の対象にもなるので気をつけて」と続けます。

「サイトによりますが、運転免許証やマイナンバーなど写真付きの本人確認書類や銀行の口座番号などが必要になることが多いです。登録が終わるとサイト内に調査案件が表示されるので、条件やルールをチェックして店舗や施設を選び、当選すれば調査開始となります」

覆面調査員として月数万円以上稼ぐには

もし覆面調査の副業で月数万円以上稼ぎたいと考えているのであれば、「当選した案件をキャンセルしない」「遊び感覚ではなく、仕事として真面目に取り組む」「マニュアルを読み込む」といった基本的なことがとても大事になってくるようです。

「あと、調査の終了期間が迫ってくると、表示されている報酬にプラス加算があったり、報酬自体が高くなったりします。ただ、調査期間もタイトで、ミスをするとその後の当選に影響しかねないので、調査案件を多数こなしてからチャレンジするのがおすすめです」

案件としては飲食店や小売店、保険会社や金融機関、ディーラーや中古車販売会社、不動産会社や投資関連企業など、あらゆる業種で募集があります。ただ、調査の基本はよく似ているので、ミスを減らすためにも案件を多数こなすことが大事だと絵里さん。

「調査に当選すると、調査する店舗や施設に沿ったマニュアルを閲覧できるようになるので、しっかり読み込んでください。マニュアルには調査するときの心構えやルールなどが書かれているため、しっかり読み込むことでミス防止につながります」

1案件数万円のプレミアム案件をゲットするには

最初は飲食代が無料になる調査からはじめた絵里さんが1案件につき数万円稼ぐことになったキッカケは、複数の覆面調査会社に登録したこと。そして仕事内容や報酬を比較し、展望がありそうな会社の仕事を優先し、真面目に取り組んだ結果に尽きるといいます。

「ルールや調査項目に沿って意見や改善点をわかりやすく記載したレポートを提出すると、覆面調査の会社からお礼メールが届くこともあり、プレミアム案件を任せてもらえることも少なくありません。一般調査員には表示されないプレミアム案件は、報酬もケタ違いです」

中には一般調査員と同じ案件や内容でも、報酬が数千円～1万円以上違うこともあるのだとか。地道な努力が必要という点は本業と同じで居住地にもよりますが、1案件で数万円稼げる可能性もある覆面調査員、副業としてチャレンジしてみるのもいいかもしれません。